2026.01.16
岡田節人基金若手研究者海外交流(派遣)助成のご案内
2026年度上半期(対象期間4月から9月):採択予定1件
2026年度下半期(対象期間10月から3月):採択予定1件
一般社団法人日本発生生物学会 若手研究者海外交流(派遣・招聘)助成金の運営に関する規約
1.目的
一般社団法人日本発生生物学会は、発生生物学の将来を担うグローバルな視野に富む研究者の育成を目的とし、海外で開催される発生生物学に関連する国際会議(学会・シンポジウム等)での発表、または海外で開催される発生生物学に関連するコースへの参加に要する経費の一部を助成する。加えて、若手研究者の国際的な討議・意見交換・講演等のスキルおよび国際的評価の向上を目的とし、発生生物学分野において優れた研究業績を有する外国人研究者を、国内で開催される発生生物学に関連する会議(学会・シンポジウム等)に招聘する場合に要する経費の一部を助成する。当該派遣助成金事業を行うに際して必要な事項を定め、事業の適正な運営を図るために、本規約を制定する。
2. 海外交流(派遣・招聘)助成金の趣旨
本助成金は、「日本発生生物学会 岡田節人基金 若手研究者海外交流助成」に基づいて、発生生物学において独創的な研究を行っており、かつ本助成金を受領して国際会議やコースへ参加することによって、日本の発生生物学研究の普及と特段の進展が期待できる若手研究者に対して助成する(派遣)。また、国内の若手研究者のスキル向上、交流を通した国際的評価の向上を目指して、優れた研究業績を有する外国人研究者を国内で開催される会議に招聘することを企画した者に対して助成する(招聘)。
3.任務、構成
助成者の選考は、学会推薦・表彰委員会が行う。
学会推薦・表彰委員会は、一般社団法人日本発生生物学会 理事会の承認のもとに設置される。
学会推薦・表彰委員会は助成者の選考に当たる。
4. 助成への応募資格等
助成への応募資格、助成金額、助成金の使途、受領に伴う義務等については別途定める「日本発生生物学会 岡田節人基金 若手研究者海外交流助成 募集要項」による。同要項は学会推薦・表彰委員会が定めるものとする。
5.規約の改正
本規約の改正は、一般社団法人日本発生生物学会 理事会の承認を必要とする。
日本発生生物学会若手研究者海外交流助成金(渡航・招聘)募集要項(簡易版)
1.助成への応募資格
1)発生生物学において独創的な研究を行い、かつ本助成金を受領して、日本の発生生物学研究の普及と特段の進展が期待できる若手研究者(大学院生およびPI以外の研究者)を対象とする。
2)日本発生生物学会の会員であること。
3)関連する会議に、原則として全日程参加すること。
2.応募方法
所定の申請書に必要事項を記載して、日本発生生物学会事務局宛 (jsdbadmin@jsdb.jp) に、メール添付にて提出してください。申請書は事務局にご請求ください。
3.助成額および採択数
1件あたり上限30万円(渡航・招聘地域を考慮し審査により決定)を、年間2件程度。(上半期1件、下半期1件ほど)
(助成額を超える旅費を他の経費(寄附金や運営交付金など)で補填される場合、必要に応じて助成額の証明書を発行します。)
4.助成金の使途、ならびに見聞録の提出義務
1)関連する会議の旅費および参加費として使用する。関連する会議終了後1ヶ月以内に、参加を証明する資料(参加者の名前が書かれているプログラム、名札などのコピー)を提出する。助成金の支払いには、旅費や参加費などの領収書の提出が必要(コピー可)。
2)参加した関連する会議の見聞録を提出する。見聞録には助成対象者本人が写った写真(招聘の場合は申請者の写真も提出)を付記する。提出された見聞録は学会ホームページに掲載する。
5.贈呈式
助成金採択者には、贈呈式(総会または年会の懇親会で開催予定)への出席を要請する。
6.注意事項
本助成の贈呈対象者として、相応しくない行為があった場合には、助成金の返還を求めることがある。渡航を中止する場合、または関連する会議に参加が出来なくなった場合は助成の辞退となるので、日本発生生物学会事務局に必ず連絡すること。
他の基金を受けた場合には辞退いただくこともある。
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岡田節人基金 若手研究者海外交流(派遣)助成は学会指定の会議のみを対象とした制度ではありません。学会員から任意の国際会議等を対象に随時申請が可能です。以下の規約・募集要項をご確認の上、申請をご希望の場合は、事務局 (
jsdbadmin@jsdb.jp) までご連絡ください。
審査および採否決定までは、約1か月かかりますので、早めの申請をお勧めいたします。
2026.01.16
日本発生生物学会 若手企画シンポジウム 募集要項
日本発生生物学会が主催していた夏季シンポジウムと秋季シンポジウムをリニューアルし、若手会員の研究交流を支援することを目的に、若手会員によるシンポジウムの企画を支援することとなりました。つきましては、リニューアルされた若手企画シンポジウムを以下の要領で募集いた致します。
1件あたり、300,000円を支援額の上限とします。また、年間の採択数は最大 3件程度を想定していますが、試行段階ですので、今後変更の可能性があります。
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概要:
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「若手企画シンポジウム」とは、若手会員(学生・ポスドク・助教・若手 PI など)が企画する発生生物学会が主催するシンポジウムであり、開催場所(岡崎市)が提供されます。旅費及び会議費として最大30万円の経費が認められます。事務局は、会場運営の補助に加え、オンライン会議ツールを用いた配信、参加・演題登録のとりまとめ、要旨集の作成、HPの作成も支援します。オンライン会議のみの場合も、これらの支援が受けられます。
企画したシンポジウムは、会員であれば、どなたでも参加申し込みを可能とすることが条件となります。
※シンポジウム主催者が日本発生生物学会であることをHPや印刷物・配布物に明記すること。
※他団体(他学会・大学・研究機関・財団など)への協賛・協力・後援の依頼・募集は、妨げないが、申請前に事務局に相談すること。
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申請者:
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日本発生生物学会の若手会員(学生・ポスドク・助教・若手 PI など)
*若手会員が交流を深め、研究が発展することを目的としていますので、講演者には、他学会の若手会員や著名な研究者等を含めても構いません。
*申請者(代表者)は、事務局との連絡を行う1名のことです(共同で企画される方に非学会員が含まれていても構いません)。
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申請方法:
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審査方法:
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実施報告書の提出:
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2026.01.06
海外便り№19 鹿谷有由希さん (ヴィルフィランシュ海洋研究所(IMEV))(現・兵庫県立大学)
鹿谷有由希
Postdoctoral fellow, ヴィルフィランシュ海洋研究所(IMEV)(現・兵庫県立大学)
はじめまして。フランスのニース近郊にあるヴィルフィランシュ海洋研究所(IMEV)の発生生物学ユニット(LBDV)にてポスドクをしておりました、鹿谷有由希と申します。約2年という短い滞在期間ではありましたが、私の経験が海外留学を考える際の参考に少しでもなれば嬉しく思います。
海外ポスドクまでの経緯
海外留学を考える際、どうやってラボを見つけて、どうやって受け入れてもらったのか、が気になるポイントの一つかと思います。ただ、この点は人それぞれかと思いますので、こんなパターンの人もいるんだな、とお読みいただければと思います。
私の場合、博士号取得後は海外で研究をしてみたい、と漠然と思っていたものの、恥ずかしながら何か積極的に行動をするわけでもなく、ただとりあえず英語の勉強をしていたくらいでした。そもそも英語に強い苦手意識のあった私は、海外ポスドクなんて夢のまた夢とどこかで思いながら、それでも海外に行ってみたいと口にしていたことが、回り回って自分の背中を押してくれたように思います。
結果的に海外でポスドクをすることができたのは、いくつもの幸運が重なったおかげでした。
中でも最大の幸運は、指導教官である高橋淑子先生(京都大学)のご縁です。私は高橋先生のもとで、ニワトリ胚を用いた胚発生過程における腸管運動の確立メカニズムについての研究で博士号を取得しました。もともと器官形成全般に興味があるのですが、腸管の発生は想像以上に面白く、博士号取得後はより進化的な観点から腸管運動の確立メカニズムや腸管の形態形成メカニズムを研究したいと考え、無脊椎動物をモデルとした研究を行うことのできるラボを探していました。そのことを高橋先生にご相談したところ、私が海外に行ってみたいと言っていたことを覚えていてくださっていたこともあり、LBDVのCnidarian developmental mechanismsチームのチームリーダーとしてクラゲClytia hemisphaericaを用いた研究をされている百瀬剛先生をご紹介いただきました。さらに幸運なことに、百瀬先生の方でも、Clytiaのポリプ形成時に見られる運動について新規のプロジェクトを立ち上げたいと考えておられたところでした。Clytiaのポリプは体のほとんどが腸管のようなもので、まさに私の興味であるより原始的な腸管の形態形成メカニズムの研究ができるではないか、とポスドクとしてプロジェクトに参加したい旨をお伝えしたところ、フェローシップを獲得できたら、という条件で受入を許可していただきました。
ただ、準備の悪かった私は、その時点ですでに卒業年度の7月を過ぎていたため海外学振の申請に間に合わず、上原記念生命科学財団、東洋紡バイオテクノロジー研究財団、内藤記念科学振興財団の海外留学助成に応募しました。結果的に東洋紡バイオテクノロジー研究財団から援助をいただくことができ、11月頃になってようやく卒業後の行き先が決まった、というような慌ただしい一年でした。
LBDV(Le Laboratoire de Biologie du Développement de Villefranche-sur-mer)について
LBDVは、パリから飛行機で1時間ほどのところにあるニース市の、さらに隣にあるヴィルフランシュ=シュル=メールという小さな町にある海洋研究所です。ヴィルフランシュは聞いたことがなくても、南仏のコート・ダジュール(紺碧海岸)という言葉に聞き覚えがある方は多いのではないでしょうか。リゾート地として有名なコート・ダジュールの真っ只中に位置するヴィルフランシュは、真っ青な地中海に面した美しい港町です。LBDVもすぐ裏手が浜になっており、研究所所有の船で採集ができたり、夏には海水浴を楽しんだりできます。
LBDVでは、クラゲ、ウニ、ホヤなど海産無脊椎動物を用いた発生生物学・進化発生生物学の研究が行われています。LBDVはCNRS(フランス国立科学研究センター)とソルボンヌ大学によって共同運営されていますが、研究者はフランス国内に限らず、ヨーロッパを中心に様々な国から集まっています。加えて、特に博士課程の学生やポスドクは研究室間の交流も盛んで、様々な文化・研究が身近にあることはとても刺激的でした。昼食後のコーヒータイムでは、世間話からディスカッションまで、様々な話題で盛り上がります。LBDVは良い意味でのんびりとしていて、のびのびと研究に打ち込むことのできる環境だと思います。もしご興味のある方は、ぜひホームページをご覧ください。
https://lbdv.imev-mer.fr/en/
ニースでの生活について
「フランス留学」で調べると、おそらくほとんどがパリの情報かと思います。そこでせっかくの機会ですので、ニースでの生活を簡単にご紹介したいと思います。
先にも書いたように、ニースは地中海に面したリゾート地です。海外旅行のパンフレット等で目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。夏の日差しは強烈ですが、日本と違って湿度が低いのでどことなく爽やかですし、もともとニースはヨーロッパの王侯貴族の避寒地として発展した街ですので、冬は温暖で非常に過ごしやすいです。そのせいか街全体も明るくおおらかで、治安はとても良いです。私はニースからトラムとバスで研究所に通っていましたが、不安を感じるようなことは一度もありませんでした。英語はパリと比べると通じませんが、渡航前に半年間フランス語教室に通っただけ、という私でもなんとかなったので、非英語圏への渡航を考えている方もそこまで心配しなくて大丈夫だと思います。日常生活においては、元気な挨拶と笑顔があれば乗り切れます(と思います)。
ただ、観光地であるがゆえに、アパート探しは難航しました。私が渡航したのはバカンスシーズン直前の6月だったのですが、多くのアパートはすでにバカンス客に借りられてしまっており、ようやくアパートが見つかったのは3ヶ月後のバカンスシーズンが終わった9月のことでした。フランスの場合は不動産会社経由ではなく、個人間で部屋を貸し借りすることの方が多いそうです。私が借りた部屋も、LBDVの事務の方が学生向けの賃貸として個人で所有していたもので、ここでも頼りになるのは人の縁だと痛感しました。ちなみに自分のアパートが見つかるまでは、バカンスやインターンなどで長期で留守にするLBDVメンバーの家に数週間ずつ転がり込ませていただき、渡仏早々、人の温かさに大いに助けられました。
ニースの物価はやはり高めですが、農業大国らしく食材は手頃な値段で手に入ります。ですので基本的に自炊をしていたのですが、ニースに来て驚いたのはピザ屋の多さです。実はイタリアまで電車で1時間ちょっとの距離にあるニースは、食事も含めてイタリア文化の影響が強く残っていて、フランス語の次によく見かけるのはイタリア語というくらいでした。パリとはまた一味違った文化が楽しめると思います。
フランスへの渡航を考えていらっしゃる方に向けて
フランスにポスドクとして渡航する場合、Passeport talent-Chercheur(研究者ビザ)を取得することになると思います。このビザの取得には受入機関からのConvention d’accueil(受入承諾書)が必須なのですが、Convention d’accueilを発行してもらうための条件は機関によって様々ですので、この条件は事前によく確認しておいた方が良いかと思います。
また、フランスは手続きにとにかく時間がかかるので、何事も十分過ぎるほど余裕を見て準備をした方が良いです。そのうえ、連絡が来ないなと思っていたら忘れられていた、ということも珍しくないので、大事なことは念を入れて確認するのがおすすめです。
さいごに
海外留学を終えて思うのは、ありきたりではありますが、少しでも海外での研究に興味があるのならぜひ挑戦してみた方がよい、ということです。今振り返れば、楽しかったことはもちろん、もっとこうすれば良かったと反省することもたくさんありますが、少なくとも挑戦したという事実は私の中で一つの自信になりましたし、海外の研究者を身近に感じるきっかけにもなりました。もし今、海外留学のチャンスがあって、迷っている方がいるのであれば、ぜひ挑戦することをおすすめします。皆さまの海外留学が実り多いものとなるよう、心より応援しております。
最後になりましたが、執筆の機会をいただきました入江直樹先生に深く御礼申し上げます。
ニースの紺碧海岸(通称 ”天使の湾”)
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ヴィルフランシュ=シュル=メールの街(右手前)と地中海
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研究所の中庭で開催された感謝祭のパーティー。手前はターキーを切り分けているところ。
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ニースのクリスマスマーケット。移動遊園地がやってきて賑やかです。
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