2025.03.31
岡田節人基金 海外派遣報告書 宇佐美優奈(埼玉県立大学)
埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科
宇佐美優奈
宇佐美優奈
この度,岡田節人基金海外派遣助成をいただき,アメリカ アリゾナ州フェニックスで開催されたOrthopaedic Research Society (ORS)が主催するORS2025 Annual Meeting(米国整形外科研究会議 年次総会 2025 )に参加しました.
本学会は,臨床の整形外科医師や理学療法士などの医療従事者と,筋骨格系の基礎研究分野の エンジニア,分子生物学の研究者が一同に会する領域横断的な学会です.北米で開催される整形外科分野における基礎研究を扱う学会としては最大規模で,参加者は3,000人超に上ります.会期は5日間にわたり,ポスター並びに口述発表が行われました.参加者の研究対象は筋,腱,軟骨,骨といった筋骨格系が中心であり,患者データを用いた臨床病態研究や,マウスやゼブラフィッシュを用いた基礎研究まで多岐に渡ります.
私自身,学部3年生の時に初めて国際学会に参加したのが本学会であり,個人的に非常に思い入れの強い学会です.修士課程1年目の頃から毎年ポスター発表を行なってきましたが,今年度は初めての口述発表となりました.参加前はこれまで参加してきた学会で最も緊張しておりました.しかし,いざ学会が始まると,修士課程で留学した際にお世話になった研究者や,これまで参加してきた国際学会で仲良くなった同世代の研究者との再会で会話も弾み,毎日が非常に楽しい時間となりました.今回の私の発表は,マウスモデルを用いた腱発達過程におけるメカノバイオロジー機構の関与に関する研究内容でした.私自身の研究に強く関わる腱発生のキーとなる転写因子を同定した研究者や,胎児期の筋腱分化プロセスを明らかにした研究グループも本学会を主戦場としています.今年も実際にお会いし,私が行なった発表について直接ご意見を伺えたことは,今後研究を継続していく上で非常に有意義であったと感じております.実験は思うように進まないことも多く,研究室に籠りながら継続する中でようやくまとまりつつある成果に対し,普段論文でよく目にする著名な研究者の方から“Existing !”や“Amazing!”というような欧米のカルチャーらしい言葉をかけていただけたことは,お世辞とはいえ何より嬉しいものでした.
今回自身が発表した Tendon Mechanobiology のセッションにおいては,in vivoのみならず,in vitro, ex vivoの最新技術を用いた研究成果も発表されておりました.現在の私の研究では,in vivoデータをメインで構成しており,今後の向けin vivoでは検証しきれない点について細胞培養の実験系も検討していたタイミングであったため,生体外培養の実験をすでに進めている研究者から最新の知見を直接聞けたことは,次のステップへのヒントとなりました.発表後,運よくそのグループのPIに声をかけることができ,今後の共同研究に向けたコミュニケーションをとることができました.
結びになりますが,今回の発表に際し,渡航をご支援いただきました日本発生生物学会関係者の皆様に深く感謝申し上げます.
本学会は,臨床の整形外科医師や理学療法士などの医療従事者と,筋骨格系の基礎研究分野の エンジニア,分子生物学の研究者が一同に会する領域横断的な学会です.北米で開催される整形外科分野における基礎研究を扱う学会としては最大規模で,参加者は3,000人超に上ります.会期は5日間にわたり,ポスター並びに口述発表が行われました.参加者の研究対象は筋,腱,軟骨,骨といった筋骨格系が中心であり,患者データを用いた臨床病態研究や,マウスやゼブラフィッシュを用いた基礎研究まで多岐に渡ります.
私自身,学部3年生の時に初めて国際学会に参加したのが本学会であり,個人的に非常に思い入れの強い学会です.修士課程1年目の頃から毎年ポスター発表を行なってきましたが,今年度は初めての口述発表となりました.参加前はこれまで参加してきた学会で最も緊張しておりました.しかし,いざ学会が始まると,修士課程で留学した際にお世話になった研究者や,これまで参加してきた国際学会で仲良くなった同世代の研究者との再会で会話も弾み,毎日が非常に楽しい時間となりました.今回の私の発表は,マウスモデルを用いた腱発達過程におけるメカノバイオロジー機構の関与に関する研究内容でした.私自身の研究に強く関わる腱発生のキーとなる転写因子を同定した研究者や,胎児期の筋腱分化プロセスを明らかにした研究グループも本学会を主戦場としています.今年も実際にお会いし,私が行なった発表について直接ご意見を伺えたことは,今後研究を継続していく上で非常に有意義であったと感じております.実験は思うように進まないことも多く,研究室に籠りながら継続する中でようやくまとまりつつある成果に対し,普段論文でよく目にする著名な研究者の方から“Existing !”や“Amazing!”というような欧米のカルチャーらしい言葉をかけていただけたことは,お世辞とはいえ何より嬉しいものでした.
今回自身が発表した Tendon Mechanobiology のセッションにおいては,in vivoのみならず,in vitro, ex vivoの最新技術を用いた研究成果も発表されておりました.現在の私の研究では,in vivoデータをメインで構成しており,今後の向けin vivoでは検証しきれない点について細胞培養の実験系も検討していたタイミングであったため,生体外培養の実験をすでに進めている研究者から最新の知見を直接聞けたことは,次のステップへのヒントとなりました.発表後,運よくそのグループのPIに声をかけることができ,今後の共同研究に向けたコミュニケーションをとることができました.
結びになりますが,今回の発表に際し,渡航をご支援いただきました日本発生生物学会関係者の皆様に深く感謝申し上げます.
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