2023.03.24
岡田節人基金 フランス海外派遣報告書 山口明日香(大阪大学)
大阪大学大学院 理学研究科
山口明日香(D1)
山口明日香(D1)
この度、岡田節人基金海外派遣助成をいただき、フランス・ストラスブールにて行われた第3回日仏合同ミーティング(2022年11月7日-10日)に参加しました。新型コロナウイルスの流行が始まってから初めての海外経験で、このような機会を心より楽しみにしておりました。というのも、国際的な場でいつか研究発表をと夢抱き大学院に入学するも数日後に緊急事態宣言が発令され、以降海外渡航への壁が高くなってしまいました。それから2年程経ち徐々に規制緩和がされていく中で、日仏合同ミーティングのNew Frontiers in Developmental Biology : Celebrating the Diversity of lifeというタイトルを見つけ惹かれ演題登録をしました。
タイトル通り、多種多様な発生生物学研究の魅力あふれる研究発表ばかりで、眠気に襲われる余裕のないほど充実した4日間でした。普段発生生物学会には参加していないけど、という方々の研究発表も聞くことができ、そんな面白い現象があるのかと驚くようなこともありました。研究手法についても、数理モデルを使ったシミュレーションやバイオインフォマティクス、ライブイメージング手法の改良等、“見えないもの”への多岐にわたるアプローチの最先端を知ることができ、見えていない、捉えられていないだけでまだまだ面白いことがたくさんあることを実感しました。このような様々な動植物の独創的な研究発表がある中で、嬉しいことに私は口頭発表の機会をいただけました。発表前は緊張しすぎて信号を見ずに道路を渡りそうになったりと正気ではなかったのですが、無事会場について本当によかったです。1つの部屋で全員が1人の発表を聞くというスタイルでしたので、発表後には様々なバックグラウンドを持つ研究者から非常に有益なご意見・評価をいただくことができました。多くの人に自分の研究を知ってもらえただけでなく、ぜひ私の発表を聞いてほしい、議論させてほしいと思っていた研究者の方々からコメント・ディスカッションしていただけたことは、この上ない貴重な経験となりました。発表自体が完璧であったかといえばほど遠く、反省点の多く残るものでしたが、4日間を総じて、今の研究、それから卒業後の展望を考える上で非常に有意義な時間を過ごせたと思います。
研究発表も強烈でしたが、同じくフランスでの食事もとても充実していました。コーヒーブレイク中、私は次から次へ出てくる名前の分からない創作料理の虜になっていました。休憩中ついつい食に集中し、気づけば1人ぼっちだったということもありましたが、しかしそこは外国。食べ物から顔をふっとあげて偶然目があった、初対面である女性研究者に、手でおいでよと導かれ、そこで開かれていた小さな女子会に招いていただきました。どんな話がなされていたのかはここでは残念ながらご報告できませんが、様々な立場の研究者がそこにはいて、普段聞くことのない違う観点からの面白いお話を聞くことができました。
今回のミーティングでは、懇親会や日本領事館主催の晩餐会などといったイベントも盛りだくさんで、特に生物の発生をテーマにしたプロジェクションマッピングは印象的でした。歴史あるストラスブールの町中で、様々な動植物の胚発生の写真を駆使しオリジナリティ溢れる音楽をバックにした映像作品に、ふらっと訪れた一般の人々も楽しんでいる様子が見られました。市民講座や博物館の催し以外にも、このような気軽にサイエンスを楽しめるアイデアは面白くもあり大事であると思いました。女子会もそうでしたが、本ミーティング全体として、立場や国籍関係なく多様であることを前提に、フランクにサイエンスを共有できていた雰囲気は、私にはとても心地よく感じられました。
最後になりましたが、本ミーティングの開催に際し運営に携わった日仏発生生物学会関係者の皆様、そして故岡田節人先生に心より感謝いたします。本当に貴重な経験をありがとうございました。
タイトル通り、多種多様な発生生物学研究の魅力あふれる研究発表ばかりで、眠気に襲われる余裕のないほど充実した4日間でした。普段発生生物学会には参加していないけど、という方々の研究発表も聞くことができ、そんな面白い現象があるのかと驚くようなこともありました。研究手法についても、数理モデルを使ったシミュレーションやバイオインフォマティクス、ライブイメージング手法の改良等、“見えないもの”への多岐にわたるアプローチの最先端を知ることができ、見えていない、捉えられていないだけでまだまだ面白いことがたくさんあることを実感しました。このような様々な動植物の独創的な研究発表がある中で、嬉しいことに私は口頭発表の機会をいただけました。発表前は緊張しすぎて信号を見ずに道路を渡りそうになったりと正気ではなかったのですが、無事会場について本当によかったです。1つの部屋で全員が1人の発表を聞くというスタイルでしたので、発表後には様々なバックグラウンドを持つ研究者から非常に有益なご意見・評価をいただくことができました。多くの人に自分の研究を知ってもらえただけでなく、ぜひ私の発表を聞いてほしい、議論させてほしいと思っていた研究者の方々からコメント・ディスカッションしていただけたことは、この上ない貴重な経験となりました。発表自体が完璧であったかといえばほど遠く、反省点の多く残るものでしたが、4日間を総じて、今の研究、それから卒業後の展望を考える上で非常に有意義な時間を過ごせたと思います。
研究発表も強烈でしたが、同じくフランスでの食事もとても充実していました。コーヒーブレイク中、私は次から次へ出てくる名前の分からない創作料理の虜になっていました。休憩中ついつい食に集中し、気づけば1人ぼっちだったということもありましたが、しかしそこは外国。食べ物から顔をふっとあげて偶然目があった、初対面である女性研究者に、手でおいでよと導かれ、そこで開かれていた小さな女子会に招いていただきました。どんな話がなされていたのかはここでは残念ながらご報告できませんが、様々な立場の研究者がそこにはいて、普段聞くことのない違う観点からの面白いお話を聞くことができました。
今回のミーティングでは、懇親会や日本領事館主催の晩餐会などといったイベントも盛りだくさんで、特に生物の発生をテーマにしたプロジェクションマッピングは印象的でした。歴史あるストラスブールの町中で、様々な動植物の胚発生の写真を駆使しオリジナリティ溢れる音楽をバックにした映像作品に、ふらっと訪れた一般の人々も楽しんでいる様子が見られました。市民講座や博物館の催し以外にも、このような気軽にサイエンスを楽しめるアイデアは面白くもあり大事であると思いました。女子会もそうでしたが、本ミーティング全体として、立場や国籍関係なく多様であることを前提に、フランクにサイエンスを共有できていた雰囲気は、私にはとても心地よく感じられました。
最後になりましたが、本ミーティングの開催に際し運営に携わった日仏発生生物学会関係者の皆様、そして故岡田節人先生に心より感謝いたします。本当に貴重な経験をありがとうございました。
