2022.12.12

NGS発生生物学現場の会2022 参加報告書 金子杏美(筑波大学)

筑波大学グローバル教育院ヒューマニクス学位プログラム2年
金子杏美
私は、副指導教員である尾崎遼先生がNGS発生生物現場の会で講演をされるということで、発生生物学会には所属していないのですが、この会の存在を知りました。wetの研究が主で、バイオインフォマティクスに関しては勉強中の身でしたので、考え方やできることなどを学べれば、と思い参加させていただきました。
実際に参加してみて、自分とは違うモデル生物を利用している人や、発生生物特有のトランスクリプトームを明らかにしている実験の紹介など、とても刺激になりました。一般発表では、私の研究分野は、参加者の方々とは違う睡眠という分野だったため、わかりやすく説明するというような良い練習になりました。また、知識の豊富な方々から、自分ではどうにもできなかったサンプリングによる傾向が補正できるはずだ、というようなことや、そもそもChromiumを利用したsnRNA-seqでは目的の細胞を十分量得ることは難しいため実験手法を変えた方がいいのではないか、といったこと、組織学的にトランスクリプトームを得られる新規手法についても教えていただき、研究室に持ち帰って検討したいと考えています。また、中身がブラックボックスのような気持ちで行っていた解析が、先生方の開設によって明らかになったり、論文をpublishする際にはきちんと明示しなければいけない数字などについても明確になったりと、今後のモチベーションに繋がりました。
また、先生方の講演も大変参考になりました。とくに、企業研究者の田崎さんの講演は、今後、就職かアカデミアの道か、を考える上でとても勉強になりました。大学では、動物実験はたくさん行われていますが、企業特有の動物実験を減らさなければいけない、というような事情は、マウスを利用した実験を主に行なっている自分としては、企業に就職する場合は動物種を変えなければいけないのかなど、将来を考えるきっかけとなりました。さらに、鹿島先生のプレゼンのプログラミング初学者へのアドバイスで、時間と労力を削るための手間は惜しむな、といったことをおっしゃっており、私自身、出力されたリストなどを、ついエクセルでいじりたくなってしまうので、肝に銘じたいと思いました。
 この度は、このような、初学者のための会を開催していただき、進歩の早いNGS分野の様々な技術や解析法・活用法について情報交換・議論する場を用意していただきありがとうございました。また、機会がありましたら是非参加させていただきたいです。