2015.06.22

DGD編集主幹 メッセージ

2014年のインパクトファクターが発表されましたが、DGDのIFは今までで一番高い2.42となり、発生生物学分野の雑誌41誌中26位で、DD, MOD, Dev Genes Evolなどとほぼ同じ位置にランクされています。また、山本卓教授によって編集されたGenome Editingの特集のインパクトが大きく、Immediacy Index(2014年の論文が2014年にどれだけ引用されたか)が1.2で、5位にランクされています。
 一方でDevelopment, Dev Biolなどの伝統的な発生学のjournalのIFは低下傾向にあり学界としては憂慮すべきものだと思っています。私自身の経験からいうと、これらのJournalsはいちゃもんに近いようなコメントがあって、acceptまでにかなりの時間を費やし、論文としてはまとまったものになったかもしれないけど、結果の斬新さという意味での時間のインパクトがかなり下がってしまったということが何回か有りました。DGDはこのようなことを避け、いちゃもんに近いコメントには答えなくてもacceptして刊行するよう努力しているつもりです。DGDの投稿からacceptまでの時間はかなり短いものだと自負しています。
 これと平行して中川真一さんが6月2日の掲示板で提言しているコアになる雑誌を創刊せよという学界全体として考えるべき問題があります。このことは多くの研究者が思っていることではありますが、現状を考えると実現はなかなか難しい問題です。各学会間の調整、出版社との関係などの問題があり、それらを克服して新しい雑誌を創刊できても投稿者の意識の問題もあります。我々の手で作った雑誌だから、Nature, Cell, Scienceよりもまず我々の雑誌に投稿するんだというコミュニティの合意がないと成功は難しいものです。この問題にどう対処するか、すぐに答えが出ものではありませんが、学会として対応していくべき問題だと思っています。
 学会が推し進めたグローバル化の効果が出てきて、DGDの投稿者もグローバル化しています。また2015年から5年間DGDは科研費成果刊行促進費の国際情報発信強化としての補助を受けることになっています。アジア、オセアニアのハブジャーナルとしての情報発信を強化するという提案が認められたもので、グローバル化をさらに推し進めDGDをさらにブランド化していく助けになるものです。DGDのブランド化ためには投稿数の増加と、DGDの論文の引用が必須です。会員の皆様からの投稿をお待ちしています。