2019.09.20

夏季シンポジウム2019 参加報告書 阪村颯(大阪大学)

大阪大学 理学研究科
D1 阪村 颯
皆さんは、多くのサンショウウオに囲まれながら研究発表したことがありますか?部屋に入って、最初に目に飛び込んだのは、都道府県ごとに区切られたブースの中にいる無数のアカハライモリ。奥へ進むと壁一面にたくさんの種類のサンショウウオが展示されており、その可愛さに魅了されました。極めつけは、岩かと思うくらいに大きなチュウゴクオオサンショウウオ。呼吸のために水面に顔を出している姿は威厳さえ感じました。一通り見終わった後、前方を向くと、モニターが設置されていて、私はここで発表するのだと認識しました。

今年の日本発生生物学会夏季シンポジウムは、栃木県日光市にある日本両棲類研究所で行われました。所属・学年を問わない発表者と、パネリストの方、合わせて二十名ほどの人数で、自らが行っている研究の議論を交わしました。今回のシンポジウムでは、発表25分、質疑応答20分と通常の学会に比べ、時間が大変長く設定されていました。そのため、発表者の方々は、自分の研究を隅から隅まで発表し、質疑応答では、時間いっぱいまで議論が続きました。このような量も質も兼ね備えた議論をできる機会は、これからもうないだろうと思えるほどに、素晴らしい内容であったと思います。私自身も、発表・議論を経て、多くの反省点が見つかり、今後の研究をブラッシュアップする手がかりが得られました。

今回のシンポジウムの良い点は、それだけではありません。発表会場から、階段を上がって二階に行くと、雰囲気のいいカフェになっていました。今夜の懇親会会場です。良いロケーションで、美味しいお肉とお酒とともに、立場を超えて話し合うことができて、とても濃い時間を過ごすことができました。また、最後の発表が終わった後は、「発生学はどこへ向かうべきか」について、議論しました。多様な考えを持つ方々と議論することで、自分の研究哲学を整理できる機会となったため、これからの研究生活の参考にしていきたいです。最終日には、日光の山中に入っていき、サンショウウオとヒキガエルの採取ツアーに行きました。希少なサンショウウオが、実際に自然の中で生きている姿は、とても貴重な光景だったと感動しています。

今回のシンポジウムでは、これからの研究人生に欠かせない貴重な経験をさせていただきました。素晴らしい会場で、濃い経験をさせていただいき、個人的には大満足です。最後に、シンポジウムの世話人をしてくださった、守野孔明先生、入江直樹先生には、大変お礼申し上げます。また、今回のシンポジウム参加にあたり、旅費支援をいただきました。重ねてお礼申し上げます。