2025.04.03

大阪大学大学院生命機能研究科 教授公募

概 要
生命機能研究科は、生命機能の解明を目指し、生物学、物理学、化学、情報科学を含んだ広い分野融合による生命科学研究を展開・推進することを基本方針としています。
今回、この理念に共感いただき、生命科学分野の研究において国内外でリーダーシップを発揮できる教授の選考を行うことになりました。つきましては、下記の要領で人材を公募いたします。
分子およびゲノム機能から細胞機能に発展する科学、細胞機能から個体機能に至る科学、あるいはそれらの過程の高精度な可視化や数理モデル化など、さまざまなスケールと視点から生体機能を解明することを目指す研究分野を対象とします。微生物から動植物の細胞や個体に至るまで、研究対象に制限は設けません。
1. 職名 教授
2. 募集人数 1 名
3. 所属 大学院生命機能研究科
4. 勤務場所 吹田キャンパス(大阪府吹田市山田丘 1-3)
5. 専門分野 生命科学全般
6. 職務内容
・上記分野に関する研究遂行
・大学院学生に対する教育・研究指導(大学院生命機能研究科)
7. 応募資格
[必須条件]
(1) 博士の学位を有すること
(2) 上記専門分野における十分な研究実績があること
(3) 業務執行に支障のないレベルの日本語及び英語の能力があること
[望ましい条件]
大学院生への指導経験を有すること

応募期限
2025 年 7 月 31 日(木) 必着 【日本時間】
現在、生命機能研究科では基礎工学部兼担の教授職の公募を行っていますが、両方に応募いただいて差し支えありません

募集要項詳細は、以下をご参照ください。
◆公募掲載URL
本学生命機能研究科HP
https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/_upload/news/news-06-20250402-01-01-ja.pdf

JREC-IN求人公募情報
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?id=D125040264
2025.04.02

2026年~2027年開催 藤原セミナーの募集について

趣  旨
藤原科学財団は、科学技術の振興に寄与することを目的として、2026~2027年の間に「藤原セミナー」の開催を希望する研究者から、下記募集要項に基づいて申請を受け付けます。申請された案件について選考を行い、採択されたものに対してセミナー開催に必要な経費を援助いたします。
藤原セミナーの選考委員は次の通りです。
廣川信隆(委員長)、藤吉好則、細野秀雄、中村栄一、十倉好紀(敬称略、順不同)
又、必要に応じて専門委員を委嘱することがあります。


1. 対象分野
自然科学の全分野

2. 応募資格
わが国の大学等学術研究機関に所属する常勤の研究者

3. 開催件数
2 件 以内

4. 開催費用援助額
12 , 000千円 以内 

5. セミナーの要件
(1) セミナーは、国際的にも学問的水準の高いものとし、そのテーマはなるべく基礎的
なもので、関連分野を含めた発展に寄与するものであること。
原則、二国間会議、定期的に行われる国際会議、およびその準備会議、サテライト会議は対象としないが、「藤原セミナー」として意義が十分に認められる場合は、例外として採択の候補とする。
(2) 参加者は、50~100人程度とし、外国人研究者が参加者の5分の1程度含まれること。
なお、国内外の優れた研究実績を有する若い専門研究者の参加を奨励する。
(3) セミナー開催対象期間は、2026年1月1日~2027年12月31日
(4) セミナーの開催地は、日本国内であること。
(5) セミナー開催日数は、2~4日以内とする。
(6) 参加者が、セミナー開催期間中、起居を共にすることを原則とし、計画された講演・討論、個人的な討論など自由な雰囲気で学問的な交流と人間的接触を深め、永続する協力の基盤を作るようなものであること。

6. 申請受付期間
2025年4月1日(火)~同年7月31日(木)(7月31日24時到着分まで有効)

7. 当財団が支給する経費
セミナー開催に直接必要な経費として当財団が認めたもので、その費目は次のとおりとする。
(1) 準備費
準備費は、セミナー開催の準備のために必要な国内外旅費、印刷製本費、通信運搬費、会議費、賃金、消耗品費、雑役務費等とする。
(2) 海外参加者旅費
海外からの参加者旅費は、航空賃、滞在費及び必要な場合は交通費とし、次の基準により援助することができる。
①セミナー参加を特に要請する者については、旅費全額
②その他の参加者のうち必要な者については、旅費の一部
(3) 国内参加者旅費
国内参加者旅費は、交通費(出発地から開催地までの往復鉄道賃等)、日当及び宿泊料とし、次の基準により援助することができる。
①セミナー参加を特に要請する者については、旅費全額
②その他の参加者のうち必要な者については、旅費の一部
(4) セミナー経費
セミナー経費は、セミナー開催期間中に必要な組織責任者等の旅費、印刷製本費、通信運搬費、会議費、レセプション経費、会場使用料、賃金、消耗品費、雑役務費等とする。

8. 申請の方法
セミナー開催希望者は、開催申請書に必要事項を記入の上、所属長を経由し、PDF化して、下記送付先メールアドレスに送信ください。なお、主な参加予定者については、セミナーのテーマに関する主要論文(5名以内、1人につき1編)を開催申請書とは別のPDFファイルにて送信してください。    送付先メールアドレス:fujihara-seminar@fujizai.or.jp

開催申請書は、藤原科学財団WEBサイトのダウンロードページ:https://www.fujizai.or.jp/ からWordファイルをダウンロードしてご使用ください。 郵送される方は、同様に藤原科学財団WEBサイトから開催申請書をダウンロードして必要事項を記入し、所属長を経由して、主要論文同封の上、下記まで送付ください。
送付先: 〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目7番12号
公益財団法人  藤原科学財団  TEL (03)3561-7736

9. 選考及び通知
当財団の藤原セミナー委員会(前記の選考委員で構成)で選考のうえ、その結果を2025年10月中旬までに申請者ならびに所属組織長に通知する。

10. 開催責任者とその義務
申請が採択された場合は、申請者がセミナー開催責任者となる。セミナー開催責任者は、セミナーを企画し、運営し、次の事項を処理するとともに当財団との連絡に当たる。
(1) 実施計画書の提出------------------------------(セミナー開催日の2ヶ月前迄)
(2) 実施報告書及び収支決算報告書の提出------------(セミナー終了後3ヶ月以内)
(3) 準備から終了に至るセミナー開催に関するすべての事項

11. 本件連絡先
〒104-0061 東京都中央区銀座3 - 7 - 12
公益財団法人 藤原科学財団  TEL (03) 3561 - 7736
FAX (03) 3561 – 7860

藤原科学財団ホームページ  http://www.fujizai.or.jp

なお、セミナー会場として苫小牧市の「グランドホテルニュー王子」を希望される場合は、会議場、宿泊などにつき弊財団経由紹介いたしますのでご相談ください。
2025.04.02

公募型共同研究「ROIS-DS-JOINT 2025」2025年度公募開始のお知ら

情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設(ROIS-DS)では、当施設の共同利用・共同研究の機会を全国の研究者等に広く提供するため、公募型共同研究「ROIS-DS-JOINT」を実施しております。
この度、2025年度の公募を開始いたしましたのでお知らせいたします。
ROIS-DSの研究者との共同研究やROIS-DSの保持する大規模データ等を利用した研究にご興味をお持ちの研究者等、今年も多くの方のご応募をお待ちしております。

【2025年度 ROIS-DS-JOINT概要】
・募集案内:https://ds.rois.ac.jp/crp/calling/
・公募〆切:5月12日(月)12:00
・採択課題決定:7月上旬頃(予定)

本公募については、去る3月6日に公募説明会を行っております。
当日の説明資料等を下記ページに掲載しておりますので、併せてご確認ください。
https://ds.rois.ac.jp/news/2025/post-11057/

【お問い合わせ】
データサイエンス共同利用基盤施設 データサイエンス推進室 公募担当
email: ds_koubo[at]rois.ac.jp
2025.04.02

自然科学研究機構 先端光科学研究分野プロジェクト公募について

・募集内容
1. 共同研究
新たな分野融合的発想に基づく光技術の適用法や、新技術開発につながる先駆的・挑戦的な萌芽研究

2. 研究会
新たな分野融合的発想に基づく光技術の適用法や、新技術開発につながる先駆的・挑戦的な萌芽研究を探索するための研究会

・応募締切日
2025年4月7日〜5月16日17時まで

・詳細情報へのリンク先
https://www.nins.jp/collabo/photonic-sci.koubo2025.html
2025.04.01

中部大学 嘱託研究員公募(米国連邦政府NIHグラント)

黒田研究室では、25年間、淡水産巻貝を対象に、動物の体の左右性を決定する分子機構解明の研究を行ってきている。最近、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術を軟体動物で確立し、1世紀にわたり世界で探索されていた巻型を決定する1個の遺伝子の同定に成功した。現在、この技術をヒト住血吸虫症の制御という医療分野へ展開している。本採用は、米国連邦政府NIH RO1グラントによるものである(sub awardee.  PIは New Mexico Universityの Dr. Si-Ming Zhang)。ヒト住血吸虫の中間宿主である巻貝Biomphalaria glabrataの感染耐性を分子レベルで明らかにすることで、ヒトへの感染を制御することを目的としている。
【仕事内容・職務内容】
Biomphalaria glabrataのゲノム編集、発生生物・分子生物・細胞生物学の, in vivo及びin vitro実験を遂行する。黒田教授とともに、研究室所属の特任講師・ポスドク・卒業研究生とも協力して研究を進める。
【勤務地住所】〒487-8501 愛知県春日井市松本町1200番地 中部大学
【募集人員】嘱託研究員 1名(博士号取得者・取得見込者、修士課程修了者)
【着任時期(採用日、着任日等)】2025年4月以降、できるだけ早い時期。
NIHのグラントであるが、給与を含む労働条件は中部大学の規程による。
【給与】360万円 ~ 500万円
【勤務時間】月~金 9:10~17:00(休憩時間:50分間)、土 9:10~12:40(休憩時間なし)
【雇用形態】 常勤嘱託研究員(委嘱契約)
【委嘱期間】:採用日から2026年3月末まで(年度契約のため)。ただし(最大)2027年5月末まで延長の可能性あり。
【応募】:以下の書類をお送りください。
1.履歴書
2.研究業績目録・外部研究資金状況
3.主要論文の別刷り
4.これまでの研究業績・業務説明
5.着任後の抱負
6.応募者について照会し得る方2名の氏名と所属・連絡先
【応募先】:電子メール rkuroda@fsc.chubu.ac.jp
郵送の場合は〒487-8501愛知県春日井市松本町1200 中部大学
先端研究センター 黒田玲子宛
応募書類の返却:応募書類はすべて当方にて責任を持って廃棄いたします。
【掲載期限】2025年6月30日
2025.03.31

岡田節人基金 海外派遣報告書 宇佐美優奈(埼玉県立大学)

埼玉県立大学大学院 保健医療福祉学研究科
宇佐美優奈
この度,岡田節人基金海外派遣助成をいただき,アメリカ アリゾナ州フェニックスで開催されたOrthopaedic Research Society (ORS)が主催するORS2025 Annual Meeting(米国整形外科研究会議 年次総会 2025 )に参加しました.
本学会は,臨床の整形外科医師や理学療法士などの医療従事者と,筋骨格系の基礎研究分野の エンジニア,分子生物学の研究者が一同に会する領域横断的な学会です.北米で開催される整形外科分野における基礎研究を扱う学会としては最大規模で,参加者は3,000人超に上ります.会期は5日間にわたり,ポスター並びに口述発表が行われました.参加者の研究対象は筋,腱,軟骨,骨といった筋骨格系が中心であり,患者データを用いた臨床病態研究や,マウスやゼブラフィッシュを用いた基礎研究まで多岐に渡ります.
 私自身,学部3年生の時に初めて国際学会に参加したのが本学会であり,個人的に非常に思い入れの強い学会です.修士課程1年目の頃から毎年ポスター発表を行なってきましたが,今年度は初めての口述発表となりました.参加前はこれまで参加してきた学会で最も緊張しておりました.しかし,いざ学会が始まると,修士課程で留学した際にお世話になった研究者や,これまで参加してきた国際学会で仲良くなった同世代の研究者との再会で会話も弾み,毎日が非常に楽しい時間となりました.今回の私の発表は,マウスモデルを用いた腱発達過程におけるメカノバイオロジー機構の関与に関する研究内容でした.私自身の研究に強く関わる腱発生のキーとなる転写因子を同定した研究者や,胎児期の筋腱分化プロセスを明らかにした研究グループも本学会を主戦場としています.今年も実際にお会いし,私が行なった発表について直接ご意見を伺えたことは,今後研究を継続していく上で非常に有意義であったと感じております.実験は思うように進まないことも多く,研究室に籠りながら継続する中でようやくまとまりつつある成果に対し,普段論文でよく目にする著名な研究者の方から“Existing !”や“Amazing!”というような欧米のカルチャーらしい言葉をかけていただけたことは,お世辞とはいえ何より嬉しいものでした.
今回自身が発表した Tendon Mechanobiology のセッションにおいては,in vivoのみならず,in vitro, ex vivoの最新技術を用いた研究成果も発表されておりました.現在の私の研究では,in vivoデータをメインで構成しており,今後の向けin vivoでは検証しきれない点について細胞培養の実験系も検討していたタイミングであったため,生体外培養の実験をすでに進めている研究者から最新の知見を直接聞けたことは,次のステップへのヒントとなりました.発表後,運よくそのグループのPIに声をかけることができ,今後の共同研究に向けたコミュニケーションをとることができました.

結びになりますが,今回の発表に際し,渡航をご支援いただきました日本発生生物学会関係者の皆様に深く感謝申し上げます.
2025.03.31

大阪大学大学院生命機能研究科 教授公募

概 要
生命機能研究科は、生命科学を中心として分子から情報科学、イメージングを含む広い融合分野による研究を展開し、生体機能の解明を目指した研究を推進することを基本方針としています。
この度、上記の理念を理解し、国内外でリーダーシップを発揮していただける教授1 名の選考を行うことになりました。つきましては、下記の要領で人材を公募いたします。本公募では、卓越した独創的研究を展開できるとともに、生命機能研究科の教育と運営に積極的に貢献できる方を求めています。また、本ポジションに採用された方には、生命機能研究科における大学院教育に加えて、基礎工学部・システム科学科・生物工学コースの兼担教員として学部教育も担当していただきます。

1. 職名 教授
2. 募集人数 1 名
3. 所属
大学院生命機能研究科(本務)及び、
基礎工学部・システム科学科・生物工学コース(兼担)
4. 勤務場所 吹田キャンパス(大阪府吹田市山田丘1-3)、豊中キャンパス(豊中市待兼山町1-3)
5. 専門分野
生命科学一般(但し以下の基礎工学部・システム科学科・生物工学コースの教育内容・ポリシーと親和するもの: https://www.bpe.es.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2025/03/policy.pdf
6. 職務内容
・上記分野に関する研究遂行
・大学院学生に対する教育・研究指導(大学院生命機能研究科(吹田キャンパス))
・学部学生に対する教育・研究指導(基礎工学部・システム科学科・生物工学コース(豊中キャンパス))
・生命機能研究科、基礎工学部における管理運営業務(入試、各種委員会等)
7. 応募資格
[必須条件]
(1) 博士の学位を有すること
(2) 上記専門分野における十分な研究実績があること
(3) 業務執行に支障のないレベルの日本語及び英語の能力があること
[望ましい条件]
学部学生及び大学院生への指導経験を有すること
8. 採用日 2026 年4 月1 日(以降できるだけ早い日)
9. 契約期間 期間の定めなし

応募期限 2025 年6 月30 日(月) 必着 【日本時間】

募集要項詳細は、以下をご参照ください。
◆公募掲載URL
本学生命機能研究科HP
https://www.fbs.osaka-u.ac.jp/_upload/news/news-06-20250325-01-02-ja.pdf

JREC-IN求人公募情報
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?id=D125031464
2025.03.31

岡田節人基金 海外派遣報告書 池田貴史(京都産業大学)

京都産業大学タンパク質動態研究所
池田貴史
“Embryology heaven”訪遊記

“This is the embryology heaven.” Eddy de Robertisが閉会のあいさつで述べた一言が、帰国してしばらく経った今でも耳に響く。たしかに、このシンポジウムは発生学者にとっての楽園そのものだった。
 今回私が参加したのは、2024年9月16日から19日の4日間にわたってドイツ・フライブルクで開かれたFreiburg Spemann-Mangold Centennial Symposium。2024年はフライブルク大学のHans SpemannとHilde MangoldによるSpemann-Mangoldオーガナイザーの発見から100周年という記念すべき年であり、それを祝うための特別シンポジウムである。学部生時代の実習で平良眞規先生のご指導を得てアフリカツメガエル胚を用いたオーガナイザー移植を体験し、発生学にはまるきっかけをもった私としては一も二もなくという感じで参加を申し込んだ。最近では発生学への入り口がオーガナイザーという方は少数派かもしれないが、苦労して精密な手作業を習得し、刻々と変わってゆくオーガナイザーの活性(そのせいで美しい二次軸を誘導するのはなかなかむずかしい)を目の当たりにしたことは、いまなお鮮やかな記憶として脳裏に刻まれている。
日本から14時間のフライトでフランクフルトに降り立ち、そこからさらに2時間半の特急に乗ってたどりついたフライブルクは、ドイツ南西に広がる黒い森(シュヴァルツヴァルト)のそばに位置する大学都市である。市街地の規模は小さく、街はずれのシュロスベルク(フライブルク城跡)にのぼると全体が見渡せてしまう(図1)。旧市街の中心には16世紀に完成したフライブルク大聖堂がそびえ、その周りには果物や野菜を売る露店が並ぶのどかさである。今回のシンポジウム会場となったフライブルク大学の大講堂は、ちょうどSpemannが当地に赴任した頃に建設されたといい、たしかな風格を感じさせる建物であった。
シンポジウムの形式は、世界中から招かれた40人のPIが30分ずつ自由に話すというもので、オーガナイザー因子探索と変異体スクリーニングの華やかなりし1990年代から活躍してきた研究者たちが一堂に会し、思い出話をまじえつつオーガナイザーの研究史から現在進行中の研究、さらには今後の発生学が向かうべき方向性にいたるまで多種多様な話題を提供するという豪華なシンポジウムであった。普段の学会でいうPlenary lectureを一度にまとめて40回聞いた感覚である。未発表データも多く含まれていたので個々の内容に踏み込んで書けないのが残念であるが、オーガナイザーの研究史に関する発表内容はCells & Developmentの特集号(Spemann and Mangold centennial special issue. Part I: historical perspective)として公表されているので、関心のある方には一読をお勧めしたい。特に興味深かったのはSpemannがどのようにしてオーガナイザーという概念を着想したかについてのThomas Holsteinの考察で、どうやらSpemannは、ヒドラにおいて類似の実験がEthel Browneにより行われていたことを知っていたという(Holstein, Cells Dev., 2024)。オーガナイザーはMangoldの神技的な移植実験に基づいてSpemannが忽然と持ち出してきた概念であるかのような印象を持っていたが、彼らといえども巨人の肩の上に立って考えていたことを少しの安堵をもって聞いた。
そのほか、いろいろな人が繰り返し語っていたのが、どれだけ多くの概念が原口背唇部の移植というシンプルな実験から着想され(誘導、神経発生、自己組織化…)、それがどれだけ発生のメカニズム解明につながったか、ということで、確かにこれはいくら強調しても強調しすぎることはない点だろう。彼らの時代、発生学研究に用いることができる手法は観察と移植くらいしかなかったわけだが、それに対して現代はあまりにも多くの実験が可能である。今回のシンポジウムでも、細胞移植や胚操作といった古典的手法に誇りをもってこだわる人がいる一方で、オミクス的手法を全面的に採用し、物量作戦で突き進んでいる人も多かった。この100年の間に実験手法の選択肢は大きく広がったが、さて、それらをどのように使えば、移植という一つの手法だけで達成されたオーガナイザーの発見と同じくらいのインパクトをもつ研究ができるのか?と深く考えさせられた。
そのことはさておくとして、本シンポジウムを通じて何より印象的だったのは、たぶんこの人たちは本当に発生学(というか、発生現象そのもの)が大好きで、いままでずっと楽しみながら研究をしてきたのだろうな、ということがじかに伝わってくる発表が多かったことである。発表のスタイルも多種多様で、手描きのスライドで自身のノーベル賞研究を淡々と紹介し、質問を受けずに悠然と壇を降りたChristiane Nüsslein-Volhard、クロマチンが開いてHox遺伝子の転写が順番に始まるさまを洋服のボタンを外す動作にたとえ、一着のコートだけが映ったスライドで何分間もしゃべり続けたDenis Duboule、初期発生研究のオピニオンリーダーとして、今後の発生学が向かうべき方向性を圧倒的な説得力をもって示したAlexander Schierなど、論文を読むだけではわからない大学者(巨匠)たちの強烈な個性を目の当たりにすることができた。
とはいえ巨匠の芸に酔うばかりでは満足できないのが駆け出し研究者の性で、2日目の夜には、以前から進めてきた「左右軸形成におけるNodalシグナルの作用機序」についての研究に関するフラッシュトークとポスター発表に挑んだ。100枚近いポスターが極めて狭い会場に立ちならぶなか、2時間半にわたって多くの方々に発表を聴いて頂けた。ビールやワインを手に、時間を忘れていろいろな国の研究者たちと議論する、国際学会ならではの雰囲気を存分に楽しむことができたと思う。また、翌朝早くにポスター会場をのぞいたところ、Alexander Schierがわたしのポスターの前で立ち止まっていたので、ひとしきり研究内容を聞いてもらえたのは幸運であった。有名な研究者ほどいろいろなポスターで声がかかって自分のポスターになかなか呼び込めないものだが、彼らに話を聞いてもらうチャンスをつかむためには、発表時間外でも会場に張り込んでおくことが重要と実感した。
 こうした極めて充実したプログラムの合間に、Spemannゆかりの地や博物館をめぐるツアーや、現地で知り合った若手研究者たちと居酒屋を訪れたり、招待講演者として参加されていた浅島先生、上野先生、武田先生のお三方を囲んで飲み会が開かれたりといろいろなお楽しみもあった(図2)。また、閉会後に武田先生とともにCentre for Organismal Studies (COS) Heidelbergを訪れ、メダカ胚発生の研究で著名なJochen Wittbrodtの研究室でセミナーをさせて頂けたのも貴重な経験であった。

最後に、本シンポジウムへの参加には、学会からのTravel award grantに加えて岡田節人基金からのご支援を頂いた。歴史的円安に研究費不足と、なにかにつけて悩みの多い浮き世をしばらく離れて天国に遊ぶことができたのは、ひとえに故岡田節人博士と日本発生生物学会の関係者の皆様のおかげと深く感謝申し上げる。
図1:シュロスベルクから望むフライブルク市街。中央右に立つ尖塔がフライブルク大聖堂。
図2:フライブルク大学博物館でSpemannとMangoldの特別展を見学。
2025.03.26

熊本大学発生医学研究所 教授、准教授(独立准教授)又は講師(独立講師)の公募(女性限定公募:2名)

熊本大学発生医学研究所では、教授候補者、准教授(*1独立准教授)候補者又は講師(*2独立講師)候補者の公募を行います。
とくに、①細胞・器官・個体レベルでの生命現象の制御メカニズム、②器官・臓器の発生・成熟と再建、③生命現象の定量化と数理モデル化、④生命現象と工学分野との融合研究、について独創的な研究を展開し、発生医学研究所教員等との共同研究や研究交流を積極的に進めることのできる方の応募を歓迎いたします。
*1発生医学研究所の「独立准教授」とは、独立した研究室を主宰し、業績評価・審査により教授に昇任することができる准教授をいいます(令和2年度に1名、令和4年度に2名の独立准教授が教授へ昇任しています)。
*2発生医学研究所の「独立講師」とは、独立した研究室を主宰し、業績評価・審査により教授又は准教授(独立准教授)に昇任することができる講師をいいます。独立講師として採用の場合は、発生研内のいずれかの教授がメンターとなり、研究室主宰者として研究スペースが措置され独自の研究グループの運営をして頂きます。この独立講師(PI)は、本公募に限定して教授・独立准教授枠のポストを利用してPI 若手育成枠として措置するものであり、10 年以内の審査により教授又は独立准教授に昇進する機会を設けます。
本公募においては、教授、准教授(独立准教授)又は講師(独立講師)のいずれかに応募することができ、複数のポジションあるいは、全てに応募することも可能です。選考委員会において考慮いたしますので、「教授」、「准教授(独立准教授)」、「講師(独立講師)」のうち選考を希望する職名について、提出書類の「研究・教育に対する抱負」【別記様式5】に明記願います。
発生医学研究所は、発生学的視点による生命科学領域における国際水準の研究活動と人材育成を行うことを使命としております。文部科学大臣認定の「発生医学の共同研究拠点」として研究者コミュニティの共同研究を推進するとともに、平成24年には臓器再建研究センターを設置し、臨床への橋渡し研究の実現を視野に入れています。さらに、令和4年には「高深度オミクス研究センター」を設置し、単一細胞レベルでの高深度解析を行う体制を整備しました。

若手独立研究者の立ち上げを強力にサポートする研究環境
リエゾンラボ研究推進施設を設置し、3名の博士号取得者を含めた専属の技術専門職員による支援体制のもと、最新の共通機器の管理・運営とその解析支援など、着任後すぐに高度の研究を推進することのできる環境を備えています(http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/lila/)。
隣接する生命資源研究・支援センターでは、遺伝子改変マウスなどを用いた動物実験・技術支援システムを完備しています(http://irda.kuma-u.jp/divisions/index.html)。熊本大学は、文部科学省・研究大学強化促進事業の支援対象機関に選定されており、世界水準の研究力の強化を図っています
https://www.kumamoto-u.ac.jp/kenkyuu_sangakurenkei/kenkyuu/news/20130807)。
本公募では、このような発生医学研究所の研究環境を最大限に活用して、医学・生命科学における先端的な研究を推進する研究者を対象として、研究室を主宰する新進気鋭の教授、准教授(独立准教授)又は講師(独立講師)を求めています。

女性研究者の活躍をサポートする環境
熊本大学は男女共同参画を推進しています。また、発生医学研究所では独自の男女共同参画推進事業を行っています。現在、発生医学研究所における女性教員の割合は6%です。本選考にあたっては、女性研究者の積極的な応募を歓迎し、女性限定で採用します。
http://gender.kumamoto-u.ac.jp/http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/danjo/
※本研究所の概略につきましては、熊本大学発生医学研究所ホームページをご参照ください。
http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/

募集職種: 教授又は准教授(独立准教授) 1名
     教授、准教授(独立准教授)又は講師(独立講師) 1名
応募締切: 2025年4月30日(水)

詳細な公募要領につきましては、添付ファイルまたは以下のリンク先ををご参照ください。
熊本大学HP: https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/saiyou
JREC-IN: https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?id=D125031367
2025.03.26

医療機器の臨床研究に関する相談窓口のご案内

この度、[医療機器の臨床研究に関する相談窓口]の紹介資料を作成しましたのでご案内申し上げます。

[相談窓口のウェブサイト]
https://www.rinsyoukenkyuu-md.mhlw.go.jp

[ご相談頂ける内容の例]
• 計画している臨床研究の臨床研究法への該当性の相談
• 臨床研究法における必要な手続きの情報提供
• 研究実施体制に関するご相談
• 医療機器該当性に関する窓口のご案内

臨床研究法への該当性をはじめ、医療機器の臨床研究の全過程におけるご相談に応じ、適切な判断の下に安心して研究を進めていただくお手伝いをします。