2008.07.18

DGD編集主幹 メッセージ

DGD編集主幹 仲村 春和

 DGDは今年50巻目を迎えております。その記念に50巻特集号を号外として、また6号に発生生物学研究のためのテクニック特集を組みました。さらに、太田訓正、近藤寿人両氏の編集によるシグナル特集を4号として出版致しました。

 50 巻特集号は26人の方々のご寄稿により、発生生物学会の歴史、発生生物学の現状に関する総説集となっております。Wiley-Blackwell社のご厚意によりon lineではfree access号としてセットして頂きました。岡田節人先生のインタビューを見て頂ければ、DGDは佐藤忠夫先生により始められたEmbryologiaと岡田要先生により始められた実験形態学誌が1968年に合併してできたということが理解できます。最初の頃は一年に一巻ではありませんので Embryologia刊行からは59年目、実験形態学誌刊行からは67年目を迎えております。

  DGDの特集では岡田先生のインタビュー、Nicole Le Douarin先生のニワトリとウズラ細胞の形態の違いを見つけそれをどう発展させたかということ、浅島先生らによるactivinを中心としたオーガナイザー研究の歴史と現状、近藤先生による発生生物学への分子生物学の導入、八杉、水野先生による内胚葉の領域化などの歴史的な総説、笹井先生による幹細胞研究の現状、相澤会長によるノックアウトマウス作成とその後の展開、濱田先生の体の左右差形成、影山先生のHesを中心としての神経分化・時計機構の解説して頂いております。すべての論文が発生生物学会の会員の方々に感動させる何かを持っているものと思います。この特集は若い方々の教育にも大きく役立ってくれるものと期待しております。テクニック特集は特にエレクトロポレーション関係とサカナの方面で充実した特集になりました。シグナル特集は太田・近藤両氏のご尽力によりWnt, Fgfを中心としたユニークな特集となっております。今年から表紙のデザインも変えておりますが、この特集の久保さんによる表紙は特に見事なできばえになっています。

  私が編集主幹を引き受けてから、毎年の発生生物学会のシンポジウム、ワークショップを中心として特集を組んでおります。一昨年の大会から昨年は再生の特集を組み、昨年の大会からシグナル関係の特集を今年発行致しました。今年の徳島大会では神経、幹細胞という話題を選んで特集を組む予定にしております。これらの特集がDGDのインパクトを高めるのに役立つことを期待しております。

  インパクトファクターに関しましては2006年の1.545から2007年は1.908まで上昇しました。インパクトファクターだけが雑誌の質を判断する物差しではありませんが、やはりファクターをあげる努力は続けるべきだと思われます。論文を書くときにより一層の引用をお願いする次第です。

  原著論文の投稿数は多くなく、特集を組まないと通常号の発行に支障をきたす状態です。インパクトファクターも上昇しましたので、会員の皆様から投稿が増えることを期待しております。原著論文に限ると採択率は50%程度です。

  さて、2008年からDGDは科研費の出版助成金を受けることなく、Wiley-Blakwell社との協力関係で出版しております。DGDを取り巻く環境は厳しいものではありますが、自立して出版を続けられるよう主幹として努力して参る所存です。会員の皆様の一層のご協力、ご支援をお願い致します。