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ホヤを使ってみませんか III. モルフォリノオリゴヌクレオチドによる新規発生関連遺伝子の探索


和田 修一1  將口 栄一1  小林 健司2  山田 力志2  佐藤 矩行1,2

科技団・CREST1,京大・院理・動物2


ゲノム配列解読後における発生生物学の主要な課題の1つは、ゲノム上に同定された多数の機 能未知遺伝子の中から発生過程で重要な働きをする遺伝子を発見することである。そのための有効な解析方 法として、体系的・網羅的な機能阻害実験が考えられる。その例としてRNAi法を利用した線虫での実験が知ら れているが、我々は、より脊椎動物に類似した実験系としてカタユウレイボヤ胚を利用し機能未知遺伝子に対 する比較的大規模な機能阻害実験を行っている。
脊索動物門尾索動物亜門に属するホヤの胚は、構造が単純で解析しやすいだけでなく、遺伝子の発現を実験 的に制御することが比較的容易である。例えば、モルフォリノオリゴヌクレオチド(MO)により効果的に遺伝子 の翻訳を阻害できる。一方で、ホヤ胚の基本的な体制は脊椎動物胚のものに類似しており、発生に関与する 遺伝子の多くが両者で共通していることがこれまでの研究から示唆されている。さらに2002年には、カタユウ レイボヤのゲノムの概要配列が報告され、全遺伝子約16000のうち約8割が脊椎動物の遺伝子と共通である ことがわかった。我々は、ホヤの胚発生に重要な新規遺伝子を多数同定し、その成果をもとに脊椎動物の発生 に重要な機能を持つ遺伝子を発見することを目的に、カタユウレイボヤの機能未知遺伝子に対しMOを利用し た翻訳阻害実験を開始した。昨年度には200遺伝子についてスクリーニングを行い、そのうち40遺伝子につ いてMOによる翻訳阻害が胚発生異常を引き起こすことを見いだした。
今回は、その後に行っているさらなる200遺伝子のスクリーニングの結果と、スクリーニングで同定された個 々の遺伝子についての機能解析結果の例を報告する。またこの報告を通して、カタユウレイボヤ胚が脊椎動 物の発生に重要な新規遺伝子を発見するためのモデル動物として有用であることを紹介したい。


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