○松田 大樹 横山 仁 佐藤 伸 田村 宏治 井出 宏之
東北大・院生命科学・生命機能科学
無尾両生類の一種であるツメガエルは、発生初期においては完全な手足の再生を行なえるが、
変態の進行に伴って再生能が低下して不完全な構造しか形成できなくなり、最終的にはスパイクと呼ばれる突
起構造しか再生できなくなる。これまで、再生能の低下した発生段階56の幼生肢芽において、FGF10の添加に
よってその再生能が向上することが報告されているが、スパイクを再生する発生段階における四肢再生能向
上の報告はない。我々はスパイクを再生してくる発生段階における再生過程では少なくともパターン形成の一
部が正常に行われていないことを示してきたが、この段階の四肢の再生能を向上させるうえで、おもに再生芽
の伸長に関わると考えられるFGF10が後期発生段階にどのような影響を与えるかを知る必要があると考えた。
そこで我々は、発生段階56以降の発生段階の肢芽の再生能とFGF10との相関関係を調べる目的で、発生
段階56以降の発生段階の肢芽予定膝レベルで切断を行なったときの再生体の表現型とfgf10遺伝子の
発現の相関関係を調べた。さらに発生段階56以降のいくつかの発生段階におけるFGF10添加の四肢再生能へ
の影響を調べた。また、これらの発生段階のパターン形成能を調べる目的で、前後軸形成に必要とされるs
hhの発現を観察した。
その結果,発生段階58以降の再生芽においてfgf10の発現が回復するこ
とがわかった。また、これらの実験により、ツメガエルの四肢再生能は再生芽の伸長能とパターン形成能それ
ぞれが独立に低下することが原因で再生能が低下すること、発生段階57以降ではFGF10だけを加えてもその
再生能向上が見込めないこと、などが示唆された。さらに、我々は本大会において、どのようにしたら変態後
期の四肢の再生能が向上できるのかについての議論も行なう予定である。
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