○片平 立矢 仲村 春和
東北大・加齢研・分子神経
遺伝子の機能阻害の手法として線虫・ショウジョウバエでRNAiが開発された。脊椎動物において も、哺乳類で約20塩基対ほどの短い二本鎖RNAがRNAi作用を有することが示されており、鳥類でも、二本鎖R NAを胚に直接導入することで、RNAi作用を示すことが最近示された。そこで私達は、ニワトリ胚でRNAを直接 用いるよりも、安価で効率良くRNAi作用を得るために、発現ベクターを用いて恒常的にsh (short hairpin) RNAを胚に発現させることにした。 shRNAがRNAi作用を示すかどうか、またshRNAの配列特異性を調べるために、ニワトリ胚中脳胞後脳胞で発 現しているEn2に対するshRNAを設計した。ニワトリ胚中脳胞ではEn2と同じくengrailedの ホモログであるEn1も発現しており、En1/En2のmRNAをin situ hybridizationによって検出することで、配列によるRNAi作用の特異性を検討した。用いた配列は、En1/ En2共通な配列、En1と2塩基違い、En2特異的な配列を選択した。shRNAを組み込んだベク ターの胚への導入には、in ovo electroporation法を用いた。その結果、shRNA導入6時間後には、mRNAが分解されていた。En1/En2共 通の配列を用いた場合、En1/En2ともにmRNAの分解が観察された。En2特異的な配列では、 En2のみが分解された。En1と2塩基違う配列では、En2のmRNAの分解がみられたが、En 1のmRNAの分解も観察された。ニワトリ胚で、RNAiを用いた遺伝子の機能阻害と、これまで行われてきた 遺伝子の強制発現を組み合わせることによって、各遺伝子の発生現象に果たす役割が、加速度的に明らかに なっていくことが期待される。
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