○星居 孝之1 春名 享子1,2 中島 竜之3 中潟 直己3 中務 胞2 仙波 圭1 荒木 正健4 山村 研一1 荒木 喜美1
熊大・医学・臓器1,(株)トランスジェニック2,熊大・動物資源開発研究セ ンター3,熊大・遺伝子4
マウスES細胞を用いた遺伝子トラップ法は、挿入されたトラップベクターを目印として発生・分化 に関与する未知遺伝子の単離・同定を行えるだけでなく、ES細胞からトラップマウスラインを樹立し個体レベ ルでの表現型・機能解析が行える優れた方法である。我々はβ- geoとCre/変異loxシステムを利用した可変型トラップベクターpU- 17を用いて遺伝子トラップを行っており、560クローンを単離し、150系統のトラップマウスラインを樹立してきた 。 β- geoを用いるとES細胞で発現している遺伝子しかトラップされないため、トラップされる遺伝子の発現パターン に偏りが生じるという可能性も考えられる。そこで、今回まず約20系統のトラップラインでβ- geoの発現パターンの解析を9.5日胚・12.5日胚・Adult組織のX- gal染色により行った。染色パターンはubiquitousなものから心臓・体節・脊索などにおいて特異的な発現を示 すものまで、様々な遺伝子をトラップしていることを示す結果が得られた。このように多数のトラップラインを用 いて網羅的に発現パターンの解析を行うことによって、効率よく興味深い発現パターンを示す系統を選択し、 未知遺伝子の単離・同定を行うことができる。 またラインを樹立していない系統についても、そのトラップクローンのキメラ胚を通常の胚と同様に9.5日胚や1 2.5日胚でX- gal染色を行うことにより、発現パターンを解析した。キメラ胚のため斑状の部位も存在したが、ES細胞のキメ ラ胚への寄与率が高いものを観察することによって、発現パターンや強度を同定することが可能であった。 我々のシステムでは、Cre/変異loxシステムによりβ- geoを任意の遺伝子に置換できるので、このようにして発現パターンを同定していけば、強制発現のためのプ ロモーター資源として活用できると期待される。
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