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Axin 及び Axin/Arrow 結合蛋白 DCAP はショウジョウバエ胚においてグルコース/グリコーゲンの代謝に関与している


山崎 裕人1,3  柳川 伸一2  Roel Nusse3

ハーバード大・医・細胞生物1,京大・ウイルス研・がん遺伝子2,スタンフ ォード大・医・発生生物3


Wnt signal はショウジョウバエにおいては、リセプターのDfz2 およびArrow が、リガンドであるWnt 蛋白を認識し、下流のDsh, GSK3β, β-catenin などの因子によって最終的に核に伝達される。抑制因子としては他に Axin が知られている。近年の研究においてWnt signal は、この古典的な経路以外に種々の異なるシグナル伝達系とのクロストークが明らかにされている。今回、我 々はAxin と結合する蛋白をイーストツーハイブリッドで探索し、3個のSH3ドメインを持つ新規の蛋白を発見し、DCAPと 命名した。DCAPは選択的スプライシングにより5種類のサブタイプ(L1- 5,S)に分けられるが、そのうちのL3は、インシュリンシグナルにおいてグルコースの輸送とグリコーゲンの局 在に必須の蛋白のマウスCAPのホモログであることがわかった。一方、ArrowのヒトホモログLRP5は、当初イ ンスリン依存性糖尿病の原因遺伝子の候補として発見され、またGSK3βもグルコースとグリコーゲンの代謝 に重要な役割を持っている。このDCAPは、Axinのみならず、Arrowの細胞質領域にSH3ドメインを介して結合 するが、古典的なWnt signalには関与せず、むしろ胚のグリコーゲンの局在に関与していることがわかった。同様に、Axinのnull mutant を調べると、初期胚のグリコーゲンの分解が顕著に阻害されており、また培養細胞のRNAiでも、細胞内のグリ コーゲンレベルの上昇が見られた。インスリンシグナルはハエの発生においても細胞の数とサイズをコントロ ールしていることがわかっており、これらのことから、Wnt signal はインスリンシグナルとも、何らかのクロストークを行っていることが示唆された。


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