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マウスRhoA (ArhA)遺伝子の機能解析


荒木 正健1  齋藤 文代2,4  吉信 公美子1  中潟 直己3  麻生 直4  Robert F. Wittier5  森脇 有加6  岩村 智勝2,7  春名 享子2,8  仙波 圭2  日野 洋健2  山村 研一2  荒木 喜美2

熊本大・遺伝子1,同・発生医学研2,同・動物資源開発研3 ,化評研4,アマシャムバイオサイエンス5,東レリサーチセンター6,東レ 7,トランスジェニック8


低分子量Gタンパク質Rhoファミリーは、細胞骨格系の再構築を司る分子スイッチであり、生理的 な細胞形態変化を可能にしている。我々は可変型ジーントラップ法を用いてマウスRhoA (ArhA)遺伝子が破壊されたESトラップクローン(Ayu17-52)を作製し、昨年の本大会で報告した。Ayu17- 52クローンでは、RhoA遺伝子の発現がnullになるような形でトラップされており、RhoAタンパク量の減少がキメ ラマウス及びヘテロ接合体マウスにおいて前肢の機能異常を引き起こし、食餌困難により死に至ることが示 唆された。
今回我々は、ノザンブロット法により、ヘテロ接合体マウスでは実際にRhoA mRNAが野生型マウスの半分以下に減少していることを確認した。また、抗マウスRhoA抗体を用いたウエスタ ンブロット法により、タンパクレベルでも発現量の低下を確認した。
そこで、Rhoファミリータンパク全体の発現量低下が問題なのか、それともRhoAタンパク特異的な機能低下が 重要なのかを検討することにした。Rhoファミリー遺伝子は、哺乳類で約20種類、酵母で6種類報告されている 。その中から、RhoA遺伝子の酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)ホモログであるRho1遺伝子をノックインしたESクローン(Ayu17- 52res)を作製した。このクローンでは、キメラマウス及びヘテロ接合体マウスに明らかな異常は観察されなか った。従って、酵母Rho1遺伝子の発現によってマウスRhoA 遺伝子発現低下による表現型がレスキューされたと考えられる。ただし、このノックインクローンにおいてもホ モ接合体マウスは現在まで生まれておらず、酵母Rho1遺伝子では、マウスRhoA遺伝子の機能を完全には補 っていないということを示唆している。


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