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転写制御因子SIP1の下流標的遺伝子の探索


安見 孝広  三好 智也  丸橋 光次  近藤 寿人  東 雄二郎

大阪大学生命機能研究科


SIP1はその両端にzinc fingerクラスタ、中央にホメオドメインを持ち、同様の構造を持つ転写因子であるδEF1と共にZfhx1ファミリーを 構成する。SIP1にはSmadと結合する領域が存在することから、TGFβシグナルの経路に関与する可能性が考 えられる。マウス胚において、SIP1は胎生7.5日から外胚葉とnode周辺を除く中胚葉細胞で発現が観察 され始め、その後は胎生8.5日では頭部外胚葉及び間充織細胞、頭部神経堤細胞、神経管及び前体節中胚葉 で発現する。SIP1ホモ変異体では、(1)神経管が閉じない、(2)7体節以降は体節が形成されない、(3) 神経堤細胞の形成阻害、(4)turningが起きないなどの表現型が観察され、SIP1が胚発生の過程において重要 な役割を果たしていると思われる。このことを明らかにするには、まず実際にSIP1がどのような遺伝子を制御 しているのかを明らかにする必要がある。本研究では、SIP1の下流標的遺伝子の探索とその解析を目的とし て、まずAffymetrix社GeneChipを用いてSIP1ホモ変異胚で発現が増加または減少している遺伝子を探 索した。SIP1ホモ変異胚の表現型が観察され始める胎生8.5日のtotal RNAをホモ変異胚及び野生型胚から抽出し用いた。SIP1と重複した機能を持つと予想されるδEF1についても δEF1ノックアウトマウスを用いて並行して行った。その結果、多くの遺伝子の発現に有意な変動が見ら れた。注目すべきこととして、特に数種類のプロラクチン関連遺伝子の発現が大きく変化しており、それらには SIP1ホモ変異胚では増加し、δEF1ホモ変異胚では減少する傾向が見られた。SIP1(及びδEF1 )の下流標的遺伝子の網羅的発現解析の結果を報告したい。


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