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初期卵割細胞質分裂を阻害するゼブラフィッシュ母性効果変異体acytokinesisの解析:vasa RNA局在における細胞骨格の役割


岸本 康之1,2  越田 澄人1,3  古谷-清木 誠1  近藤 寿人1,4

科技団・近藤プロ1,遺伝研・初期発生2,基生研・統合バイオ3,阪大・医4


卵に含まれる細胞質成分が再配置され特定の細胞に取り込まれる過程は、動物の胚発生におけ る細胞運命決定に重要である。vasa RNAは多くの動物で生殖細胞質の構成要素であり、その局在は細胞骨格系により制御されると考えられてい る。我々は系統的スクリーニングにより、初期卵割期細胞質分裂を阻害するゼブラフィッシュ母性効果変異体acytokinesis a, b, cを単離し、これがアクチン骨格系の不全により起きることを見い出した(第35回大会)。細胞骨格とvas a RNA局在との関連を調べるため、これら変異体においてvasa RNAの分布がどのように影響を受けるか調べた。
野生型ゼブラフィッシュ胚では、vasa RNAは2- 4細胞期において第一、第二卵割面の辺縁領域に集合し、4つの集積体を形成する。acytokinesis a, b, cいずれの胚においても第一、第二分裂後の核は正常胚と同様に配置するものの、vasa RNAの分布は異常であった。変異体の胚では、正常胚で見られるようなvasa RNAの集積体は形成されず、そのかわりvasa RNAは多数のより小さな塊となり、第一および第二分裂の赤道面にそって分布することがわかった。野生型の 胚では卵割溝内の細胞表層に、赤道面に垂直に配向した微小管アレイが形成されるが、acytokinesis a, b, cいずれの胚においてもこの構造の形成が見られなかった。
これらの結果は、ゼブラフィッシュ胚におけるvasa RNAの局在過程は、第一、第二卵割面へvasa RNAが移動する初期の微小管アレイに依存しないプロセスと、卵割面辺縁域に4つの集積体を形成する後期 のプロセスに分けられることを示唆している。微小管アレイはおそらく後期のプロセスで重要な働きをすると考 えられる。


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