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イモリ精巣での減数分裂開始におけるSCFおよびc-kitの発現解析


古川 怜1  安部 恵祐1  江頭 恒1  山本 卓2  牧 信安3  阿形 清和3  安部 眞一1

熊大院自然科学1,広大院遺伝子科学2,発生再生科学総合研究センタ ー3


Stem cell factor(SCF)は哺乳類において精原細胞の増殖や精母細胞の生存に関与することが報告されているが、減数 分裂開始における役割については明らかでない。イモリ精巣器官培養において、ブタFSHは精原細胞の増殖 と精母細胞への分化を促進する(Abe and Ji, IJDB, 1994)が、ヒトSCFは精原細胞の増殖を促進するものの精母細胞への分化は誘導しなかった(Abe et al., BBRC, 2002)。
本研究では精原細胞の増殖と減数分裂開始におけるSCF/c- kitの発現と役割を明らかにすることを目的とした。イモリ精巣をステージ別に切り分け、mRNAの発現をRT- PCRで調べた結果、SCFは精原細胞、精母細胞ステージで同程度発現していたが、丸い精細胞ステージでは 高くなっていた。c- kitでは、精原細胞、精母細胞ステージでは同程度発現していたが、丸い精細胞ステージでは逆に低くなってい た。詳細に調べるために、レーザーマイクロダイセクションを用いて凍結切片から第3・第4世代、第6・第7世代 、精母細胞ステージをそれぞれ200細胞ずつ回収しRT- PCRを行った結果、SCFは他の世代に比べ減数分裂を開始する後期精原細胞(第6・第7世代)で高く発現して いることが示された。
さらに、イモリ精巣器官培養系を用いてSCF, c-kit mRNAの発現に対するFSH、IGF- 1、SCFの効果を定量的PCRにより解析した。SCFの発現はFSHで7日間処理すると培養開始時に比べて有意 に約3倍上昇した。IGF- 1、SCFで処理した場合には、発現にほとんど差が見られなかった。これらの結果から、FSHによって減数分裂 開始直前にSCF mRNAの発現が著しく高まることが示され、このステージ特異的な発現は減数分裂開始において何らかの役割 を果たしていることが示唆される。


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