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精子形成過程の異常とC21ステロイドホルモンについて Part II


佐藤 陽子1,2  吉池 美紀1  野澤 資亜利1,2  岩本 晃明1,2

聖マリアンナ医大・泌1,CREST JST2


精子形成過程にはホルモンなどの液性因子による精巣内環境が重要であると考えらるがその詳 細については不明である。我々は既にヒト精巣において精細管基底膜の肥厚が精子形成過程の異常に先立 つ現象である可能性を示した。さらに、肥厚した基底膜がprogesterone抗体による強い染色性を示すことや、 造精機能不良な精巣で17αOHPの増加が見られたことから、造精機能障害を示すヒト精巣内ではandrogen生 成時にC21steroidを中間代謝物とする通常は使用されないΔ経路を主として使用 している可能性があると我々は考えている。今回、その仮説を支持する新たな結果が得られたので報告する。 はじめにandrogen生成過程に関わる酵素群の発現量を造精機能が不良な精巣を良好な精巣と比較した結果 、mRNAの発現は3β-HSDが増加し、17α-OHと17- 20lyase活性の律速段階を決定するP45017αは変化せず、17β-HSDが増加することが判明した。さらに3β- HSD抗体を用いた免疫組織染色結果は、mRNAの発現レベルの変化を支持した。以上の結果は、造精機能不 良な精巣において酵素活性の変化によりΔ経路の代謝物が生成されやすい状態であることを 示唆している。次に、造精機能が不良な精巣の未固定凍結切片における3CMO-progesterone- BSAの結合性より、肥厚した基底膜はprogesteroneが結合しやすい状況であると推測される結果を得た。肥厚 した基底膜にはPNA- lectinにより認識される糖蛋白が多く存在するが、progesteroneを過剰に結合させた基底膜では、PNA- lectinの染色性が阻害された。以上の結果は、肥厚した基底膜に存在する糖蛋白にprogesteroneが結合してい る可能性を示唆している。


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