[2P090]

マウス胎仔の生殖細胞におけるp63の発現


中牟田 信明  小林 繁

九歯大・口解1


転写因子p63はp53ファミリーに属し、アポトーシスの制御に加えて、βカテニンやNotchシグナル 系とも相互作用する。また、p63は表皮を含め様々な上皮組織の基底細胞に発現し、幹細胞システムの維持に 関わる事がノックアウトマウスの解析から示唆されている。今回我々は、生殖腺におけるp63の役割について 詳細を明らかにするため検討した結果、マウス胎仔の生殖腺にp63が発現し、生殖細胞の核にp63が局在する ことを見出した。p63遺伝子がコードするタンパクは、転写活性化ドメインの有無によってTAタイプとdeltaNタイ プとに分けられるが、胎仔生殖腺からは両アイソタイプのmRNAが検出された。免疫組織化学による生殖細胞 のp63陽性反応は、生殖腺原基へ移動中から既に認められ、生殖腺に定着後は、卵巣と精巣とで異なる運命を たどった。発生とともに変化するp63の発現パターンから、マウス胎仔においてp63は生殖細胞の増殖やアポト ーシスの制御に関与していることが強く示唆された。


Page Copyright (C) 日本発生生物学会 All Rights Reserved.