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E-cadherinを介した細胞間相互作用によるマウス生殖細胞の決定機構


岡村 大治1,2,3  木村 透4  仲野 徹4  松居 靖久1,2,3

大阪母子医療セ研・病因1,CREST,JST2,阪大・院・医3, 阪大・微研・遺伝子動態4


マウスの始原生殖細胞(PGC)は、原腸陥入開始後に原始外胚葉(epiblast)から形成 されるが、その運命決定機構に関しては未だ不明な点が多い。
これまでの研究から、PGCと、胚体外中胚葉から分化する尿膜(allantois)が、 epiblast基部に存在する共通の前駆細胞から分化し、また6.5日胚(E6.5)に始まる原 腸陥入に先だって、胚体外外胚葉は、それと接するepiblast基部に対して、PGC前駆 細胞への誘導作用を有しており、その実体がBMP4やBMP8bであることが明らかになっ ている。しかしその後、胚体外中胚葉の内部にPGCがその分化の指標の一つである、 ALP(Alkaline Phosphatase)活性陽性の細胞集団として確認されるE7.25までの間、 PGC前駆細胞がどのような動き・メカニズムの中で、PGCへの運命決定を受けているの かに関しては多くの部分で謎であった。
今回、我々は胚の断片化培養実験から、原腸陥入開始後間もないE6.75において、 PGC前駆細胞が未分化な胚体外中胚葉に限局して存在していることを明らかにした。 また胚培養のタイムラプス解析とトリプシン処理による解離培養実験から、PGCとし て決定される過程では、この未分化な胚体外中胚葉内で、PGC前駆細胞同士がクラス ターを形成する重要性が示唆された。我々はこのクラスター形成を担う分子を追う中 で、E- cadherinが胚体外中胚葉のPGC前駆細胞を含む領域で発現していることを見い 出した。さらに胚体外中胚葉の培養において、特異的抗体添加によるE-cadherinの機 能阻害実験を行ったところ、胚体外中胚葉の分化は影響を受けなかったが、PGC形成 が阻害された。このことから、E-cadherinを介したPGC前駆細胞同士の細胞間相互作 用が、PGCへの運命決定に必須であることが明らかになった。


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