○石丸 善康1,3 杉山 紀之2,3 笠原 恵1 諸橋 憲一郎2,3,4 吉岡 秀文1,3
兵庫教育大学1,基生研 細胞分化2,科技団3,総研大4
生殖腺は主に中間中胚葉に由来する組織であることが知られている。中間中胚葉からは当初、 生殖隆起と中腎、後腎などが形成され、後に生殖隆起は生殖腺に分化する。この過程で性的に未分化な生殖 隆起の形態と機能は分化し, 雌雄生殖腺が形成される。我々は中間中胚葉から未分化性腺の形成過程で Fgf8から Wnt4を介して、核内受容体である Ad4BP/SF- 1(哺乳動物において性腺と副腎の形成に必須の転写因子)が生殖腺・副腎皮質予定領域に発現誘導され ることを、ニワトリ胚を用いて明らかにしてきた。今回我々はレチノイン酸(RA)シグナルが生殖隆起の形成と性 分化に関与することを見いだした。生体内において、RAはレチナール脱水素酵素( Raldh2)により合成され、 Cyp26により分解されることで, そのレベルを維持している。ニワトリ3日胚の中腎領域では Cyp26は発現せず、 Raldh2は中腎細管全域に性に依存しない発現を示した。この時期の中腎細管には Fgf8と Wnt4が発現しており、同時に Ad4BP/SF- 1が中腎細管と隣接した中腎中胚葉に発現している。レチノイン酸レセプターのひとつである RARβが Ad4BP/SF- 1と同じ領域に発現することからも、RAシグナルの関与が予想された。そこで, Ad4BP/SF- 1の発現に対しRAシグナルがFGFやWntシグナルとどのように関わるかを調べている。6.5日胚以降の性 分化した雌生殖腺では、右側は退化し、左側は皮質部分が発達する。一方, 左右の未分化性腺の髄質から精巣が発達する。未分化性腺が性分化していく過程における Raldh2と Cyp26の発現様式は生殖腺の性分化、左右不斉化との関係を示唆した。これをRA bead 移植などにより、検証している。
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