○廣田 ゆき 澤本 和延 岡野 栄之
慶大・医・生理,CREST, JST
ショウジョウバエdorsal vessel
発生過程においては、ホメオボックス型転写因子であるTinmanが重要な機能を果たすことが報告されている。
dorsal
vesselは脊椎動物の心臓に相当するが、Tinmanの脊椎動物相同分子であるNkx2.5が心臓発生に重要である
ことから、Tinmanの機能は種を越えて保存されていると考えられている。dorsal
vesselは、心筋様前駆細胞であるcardioblastとその周囲に存在する機能不明のpericardioblastから構成される
。Tinmanの発現はdorsal
vesselにおいて、片体節あたり6個のcardioblastのうち4個に限局しており、cardioblastのサブタイプの決定に
関与することが示唆されているがその機構に関しては不明な点が多い。今回、cardioblastにおいてTinmanと
同様の発現パターンを示す新規遺伝子(tincar ; Tinman-expessing
cardioblast)を見いだし、その発現制御機構と機能解析を行っている。
tincar
遺伝子産物は、8回膜貫通型蛋白質であると推定されるが、既知の蛋白質との相同性はない。tincar
の予定心臓領域での発現はステージ14から始まり、Tinman同様に6個のうち4個のcardioblastに限局していた
。一方、Tinmanの発現は、COUP-TF転写因子Seven-
upの下流で負に制御されることが報告されている。そこで、tincar, tinman, seven-up
の遺伝学的上下関係を調べるために、tinman, seven-up
両遺伝子の機能欠失型変異体および異所発現個体におけるtincar
の発現を調べた。この結果、tincar はseven-up の下流で負に、tinman
の下流で正に制御されることが示唆された。現在、tincar
の心臓発生における機能をRNA干渉法によって解析しているのでその結果を合わせて報告したい。
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