[2P073]

ゼブラフィッシュ三叉運動神経の軸索伸長に異常を示す変異体群の解析


前田 龍1  小倉 久美1,4  田中 英臣1,2  李 海昌1,2  山口 雅裕3  政井 一郎3  岡本 仁1,2

理研・脳センター・発生遺伝子1,科技団・戦略2,理研・政井独立主幹3,東京医薬専4


ゼブラフィッシュの初期胚において、三叉神経の運動神経細胞は後脳で分化し、その軸索は神経 管を出た後、下顎の筋肉に投射する。軸索は、最初顎骨弓由来の筋肉に伸長し、その後顎骨弓・舌骨弓境界 において正中線を越え反対側の舌骨弓由来の筋肉に伸長する軸索と正中線を越えず同側の舌骨弓由来の筋 肉に伸長する軸索に分岐する。我々は、脊椎動物における神経筋肉間の軸索投射の機構を明らかにするた め、化学変異剤によりゲノムに突然変異を誘発し、大規模スクリーニングを行い、三叉神経軸索の走行に異常 を示す変異体を産むF2ファミリーを60グループ同定した。このうち33グループの三叉神経軸索は、正中線を越 えて反対側に伸長する軸索が観察されず同側に伸展する軸索のみで構成される。本研究では、この軸索伸展 の機構を解明するために、これらグループの原因遺伝子座について解析を行っている。これらのうち9グルー プについて系統の確立を行った結果、4系統(rw204、rw219、rw250、rw294)のみ世代を超えて継代された。さら に、下顎に形成される筋肉および骨格について解析し、三叉神経軸索が伸展する外部環境の異常を調べた。 その結果rw204、rw250、rw294の3系統では、筋肉および骨格は正常に形成され、軸索伸長にのみ異常が観察 された。一方rw219では、顎骨弓由来の筋肉および軟骨の形成に異常を示した。このことから、rw219は神経軸 索が伸長する外部環境が原因であり、他の系統では神経細胞側に異常がある可能性が示唆された。次に、こ れらの原因遺伝子座を明らかにするために各系統間の相補性試験を行った結果、rw204およびrw294は同一 遺伝子座に存在する可能性が強いが、rw219とrw250はこれらの2系統とは別の遺伝子座に存在することが示 唆された。現在rw204について変異遺伝子座の解析を進めておりその結果についても報告する。


Page Copyright (C) 日本発生生物学会 All Rights Reserved.