○永楽 元次 平野 丈夫 見学 美根子
京大・院理・生物物理,CREST
神経細胞は極性を有し、軸索と樹状突起という構造的にも機能的にも異なる二種類の突起を形 成する。我々はこれまでに、中枢神経系ニューロンの極性形成を制御する分子としてDelta/Notch like EGF- related receptor(DNER)を同定した。DNERは737アミノ酸からなる一回膜貫通型膜タンパク質で、生後発達過程のマウ スにおいては分裂を終えた中枢神経系ニューロンにほぼ特異的に発現している。DNER分子の細胞内領域に は、樹状突起への選択的輸送を制御する配列が存在し、回路形成期から成体にいたるまでの小脳プルキンエ 細胞や海馬ニューロンの樹状突起において強い発現が確認される。DNERの細胞外領域にはタンパク質間相 互作用に関与するEGF-like repeatが10個存在し、細胞膜を介したシグナル伝達に何らかの役割を果たしていることが予想される。我々は DNERの機能を明らかにするために、DNER細胞外領域に直接結合する分子の探索を行った。その結果、神経 細胞の分化を制御する膜貫通型シグナル分子のNotchがDNERと相互作用することが明らかになった。また、 内在的にNotchを発現している筋芽細胞C2C12を用いた実験の結果、DNERが細胞間相互作用を介してNotch シグナルを制御する分子であることがわかった。さらに、分散およびスライス培養系を用いた変異分子の強制 発現実験により、DNERが中枢神経系細胞の突起形成に関わることが明らかになったので、報告する。
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