○砂堀 毅彦1 松崎 有未1 永井 健治2,3 徳永 暁憲1 宮脇 敦史2 岡野 栄之1,4
慶応大・医・生理1,理研・脳センター・細胞機能2,科技団・さきがけ213,科技団・CREST4
神経幹細胞は、増殖し継代を繰り返すことができる自己複製能と、中枢神経系を構成する主要な3
種類の細胞であるニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトを産生できる多分化能によって定義される
未分化な細胞である。神経幹細胞が胎生期のみならず、成体においても中枢神経系の様々な箇所に存在する
という近年の知見は、幹細胞の分化/未分化の調節機構や、成体神経幹細胞が一体どこから来ているのか、
などの生物学的な興味のみにとどまらず、神経脱落を伴った疾患に対し、再生による機能回復を図れる可能
性を提示した。しかしながら、従来のneurosphere法を始めとした培養系による神経幹細胞の同定はあくまで遡
及的に行われるのが限界だった。そこで我々の研究室では、以前よりfluorescence activated cell sorter
(FACS)を活用しながら、神経幹細胞の予期的な同定と効率的な単離を行ってきた。
本大会では、神経幹細胞に選択的に発現している中間径フィラメントタンパク質であるnestin遺伝子のエンハ
ンサー制御下に、レポーターとして改変GFPである蛍光物質″d4venus″を導入したnestin‐d4venusトランス
ジェニックマウスについて報告する。d4venusは、従来のGFPと比較して蛍光強度が強く、迅速に発光し、かつ
半減期も短い。よって、nestin遺伝子のプロモーター/エンハンサーからの発現をより正確に模倣した蛍光活
性が得られるようになった。
組織免疫染色によりnestin‐d4venusトランスジェニックマウスでは、従来のnestin‐EGFPトランスジェニックマウ
スと比較して、発生期の神経幹細胞の局在が知られている脳室周囲においてより限局した発現パターンが確
認された。またこれらの細胞は分化したニューロンのマーカーであるβ‐tubulinIII陰性であった。現在、FACSを
利用してさらに詳細な解析を行っている。
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