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Emx1, Emx2 遺伝子の原皮質領域形成における機能


須田 容子  篠崎 恒二  中村 美和  相沢 慎一

CDB(理研神戸)、ボディプラン研究グループ


マウスEmx1, Emx2は皮質形成期に将来大脳皮質となる背側神経上皮で発現する。マウス胚において、原皮質形成は 大脳領域での神経管閉鎖後9.5dpc頃より開始するが、Emx1遺伝子発現はちょうどこの時期に起こる。Emx2遺伝子はEmx1遺伝子より更に背側内側まで発現し、Emx2シングル変異マウスでは Prox1陽性の歯状回の一部が失われるが、他の原皮質領域はほぼ正常に生じる。Emx1シング ル変異マウスではすべての原皮質が正常に形成される。これに対し、Emx1, Emx2ダブル変異マウスではTTR陽性の脈絡叢は形成されるが、海馬采、歯状回、CA領域、海馬支 脚よりなる原皮質の全領域が欠損していた。原皮質領域形成過程を解析した結果、発生過程10.5dpcから12.5d pcの間、Emx1, Emx2遺伝子ダブル変異マウスでは、Ngn2陰性、Bmp6/Msx1陽性の天井板領域の多細胞層 化と拡大が顕著に認められたが、この領域では細胞増殖あるいは細胞死の増加は特に認められなかった。 Wnt3a陽性で原皮質領域形成のlocal organizerと考えられているcortical hem領域の形成も認められない。活性型BMP6レセプターをEmx2遺伝子座にノックインした変異マウス を作成し解析した結果、ホモ変異マウスではEmx1, Emx2ダブル変異マウス同様、海馬采、歯状回、CA領域、海馬支脚よりなる原皮質の全領域が欠損し、脈 絡叢が過形成を呈していた。一方Wnt1遺伝子をノックインしたヘテロ変異マウスでは皮質領域の拡大が 顕著に認められ、海馬采、歯状回、CA領域、海馬支脚よりなる原皮質の全領域ならびに脈絡叢の著しい縮小 が認められた。以上の結果とEmx2遺伝子発現調節領域の解析(Lef/Tcf, Smad結合配列が存在する)結果より、Emx1, Emx2遺伝子が協働して原皮質領域形成に働き、形成されたcortical hemでのWntシグナルによって各海馬領域が形成されると考えられる。


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