[2P053]

抑制型Smad(Smad7)による神経誘導機序の解析


望月 俊昭1,2  渡部 徹郎2  宮園 浩平1,2

癌研・研・生化1,東大・院医・分子病理2


TGF-β superfamilyの細胞内シグナル伝達を担う因子であるSmad familyの一因子として単離されたSmad7は受容体との相互作用を通じて、これを分解することでシグナルを抑 制すると考えられている。そのようなSmadの中でもSmad7は細胞内シグナル伝達系を異にするTGF-β / Activin/ Nodal系、BMP系双方を抑制できると考えられている。
一方アフリカツメガエル胚を用いた解析から、Smad7は過剰発現により神経の誘導することが示されている。し かしこの作用がこれまでの神経化のメカニズムとして知られているBMPシグナルの抑制によるものかについ て、知見は得られていない。
そこで本研究ではSmad7の高次構造予測からSmad7の受容体との結合に関与すると考えられるアミノ酸を選 定し、それに変異を導入した。この変異の導入により培養細胞系を用いた解析から、1)TGF-β / Activin/ Nodal系のみを抑制できるできない変異体、2TGF-β / Activin/ Nodal系、BMP系双方抑制できない変異体を得ることができた。これらの変異体を用いてSmad7の神経化に対 する効果をアフリカツメガエル胚を用いて解析したところ、1)の変異体では、腹側帯域に発現させた場合の表 現型、アニマルキャップアッセイにおいて、1)の変異体では野生型Smad7と同様の表現型、神経系のマーカー (N- CAM、Otx2など)の発現を示すが、2)の変異体では表現型の相違やマーカーの発現の減少などが見られた。
以上の結果からSmad7による神経化のメカニズムにはActivin/ Nodal系のシグナルではなく、BMPシグナルの抑制が必要であることが示唆された。


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