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転写制御因子SIP1がレンズ発生で果たす役割;レンズ特異的な遺伝子欠失マウスによる解析


好本 あき  東 雄二郎  近藤 寿人

阪大 生命機能


転写制御因子SIP1(Smad-interacting protein 1)はマウス胚で、レンズ形成の初期から発現している。しかしKOホモマウスは眼が形成される以前のステージ で致死であるため、そのレンズ形成における役割はわかっていない。そこで、Cre- loxPシステムを用いてレンズ特異的にSIP1遺伝子を欠失させた。 レンズ特異的にCreを発現させるため、Pax6の最小レンズエンハンサーを用いたPax6- Creマウスを作製した。これは、胎生9.0日からレンズでCreを発現する。 Pax6- Creによりレンズ特異的にSIP1を失った胚のレンズは野生型のものより小さく、SIP1を失った細胞がレンズ上皮 の側に集まり、レンズ胞が外胚葉からくびれ切れないという表現型がみられた。また、レンズ繊維はほとんど 形成されず、SIP1の欠失を免れたわずかな細胞が繊維に分化しているのみであった。 同様の表現型がみられる変異マウスとして、dysgenetic lens (dyl)、aphakia(ak)などが知られているが、これらはそれぞれ転写因子FoxE3,Pitx3の変異によるものである。SI P1を欠失したレンズ細胞ではFoxE3,Pitx3の発現が消失していた。さらにレンズにおいてFoxe3の下流で働く いくつかの遺伝子の発現消失も確認された。 ak変異の正体はPitx3遺伝子の制御領域の欠損であるが、この欠損部分にはSIP1の結合配列が複数存在見 いだされた。FoxE3の発現制御領域を調べたところ、ここでもSIP1の結合配列が複数見いだされた。 上記のことより、SIP1がこれらの発現を直接制御している可能性がある。


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