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水晶体形成におけるSOX2の段階的な発現調節機構


井上 将  内川 昌則  近藤 寿人

阪大・院生命機能・細胞ネットワーク


水晶体は幾つかの段階を経て作られる。私達は水晶体の形成に重要な役割を果たす転写調節因 子SOX2に注目して研究を行っている。ニワトリのSox2遺伝子には水晶体形成に関わる3つの制御領域 (エンハンサー)が在ることが明らかにされた。この3つのエンハンサーは水晶体を形作る過程で異なった時期 にその活性を示す。Sox2は(1)最初頭部外胚葉で腹側から背側にかけて勾配を持って広く発現されて いる。(2)眼胞が外胚葉に接近する(おそらく水晶体誘導シグナルを送る)時期になると、外胚葉のなかで次に 水晶体プラコードになる領域に限って発現が強くなり、水晶体胞までその発現は続く。(3)水晶体胞がさらに発 達して水晶体上皮と繊維からなる水晶体が出来ると水晶体繊維の部分で発現が強くなる。(マウスではこの段 階に相当するSox2の発現はない)。これらの3つの段階に対応して、(1)N4エンハンサー、(2)N3エン ハンサー、(3)Lエンハンサーが活性を示した。それぞれの段階でのSox2の発現を調節している転写調 節因子を明らかにすることにより、段階に応じたより細かな調節の仕組みや、外胚葉細胞に作用する分泌因 子の作用をも明らかにできる可能性がある。それぞれのエンハンサーに対して塩基置換や部分的欠失(突然 変異)を導入して、活性の変化を検討した。幾つかの突然変異によってエンハンサーの活性が変化した。エン ハンサーの活性に変化を生じる部分では、どのような因子が結合するか検討を行っている。


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