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眼胞の発生における背腹の領域性と背側間葉組織の機能


鍵山 由香1  後藤田 奈々香1  阪上 起世2  安田 国雄2  餅井 真3  荒木 正介1

奈良女子大・理・生物1,奈良先端大・バイオ2,姫路工大・生命科学3


眼胞には背と腹の方向性があり、これは眼の形態形成や網膜・色素上皮の分化、網膜ム視蓋投 射に必要である。従来、眼胞の発生には、表皮外胚葉と眼胞神経上皮との相互作用(基部ム先端方向)が中 心的な役割を持つと考えられてきた。私たちは、トリ胚眼胞の背腹逆転移植実験によって以下のことをすでに 明らかにし、むしろ背腹の領域化が重要であることを示した:・眼胞の背と腹の領域は8体節期から12体節期 の間に決定される。・決定は眼胞の基部から先端方向に進む。・背と腹の領域化が正しく決まらないと、眼杯形 成や網膜と色素上皮の分化がおこらない。では、この背腹の領域はどのようにして決まるのか?今回、眼胞と 胚を組み合わせて培養をおこない、以下のことが明らかになった。・眼胞を単独で培養すると網膜と色素上皮 に分化する。・胚を背と腹に分けて培養すると、眼胞の背側は色素上皮に、眼胞腹側は網膜に分化する。・眼 胞の周囲間葉組織を除去すると、網膜にだけ発生し、色素上皮は分化しないが、・これを胚の頭部背側と共に 培養すると、色素上皮も分化するようになる。以上のことから、眼胞の背側領域化と色素上皮の分化には頭部 背側に由来する因子が必要であり、これには背側間葉組織が関与していることが示された。この間葉は神経 堤由来であり、眼の発生にこれまで考えられている以上に神経堤が深く関わっている可能性が示唆される。 文献 Araki M et al. (1998) Dev.Growth Differ. 40:167-176. Uemonsa T et al. (2002) Dev.Biol. 248:319-330. Araki M et al. (2002) Dev.Biol. 244:358-371.


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