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トラフグにおける脊椎骨の発生と遺伝子発現パターンの解析


鈴木 徹  宇治 督  黒川 忠英

独法水研センター・養殖研


トラフグ(Fugu rubripes)は、全ゲノムの解読が終了し、必要な遺伝子の塩基情報をデータバンクから検索できることから 、発生研究にも有効な実験動物となる可能性がある。一方、我が国では、トラフグは重要な水産対象種であり 、養殖も行われている。養殖トラフグでは、栄養素の過不足が原因と思われる短躯症等の脊椎骨異常が起こる 事例が知られている。現在のところ、硬骨魚類の脊椎骨については、発生機構のみならず組織構造や構成蛋 白質についても不明な点が多い。そこで我々は、トラフグを用いて、脊椎骨の発生や構造の解析および形態異 常の発症機序の解析に着手した。今回は、トラフグにおける(1)骨格の発生過程、(2)骨格形成に関わる遺伝 子の発生に伴う発現の変化、(3)遺伝子の組織発現について報告する。
トラフグの脊椎骨形成過程では、 メダカ等と同様に、アルシャン青に染まる軟骨組織は一度も分化することがなく、椎体、神経弓、血管弓ともに 膜性骨化で形成される。硬節のマーカーであるscleraxisは、トラフグ胚でも体節に発現が確認された。 脊椎骨が膜性骨化で形成されることから、トラフグの硬節は、四肢動物と違って軟骨には分化しないと考えら れる。しかし意外なことに、成魚における各種遺伝子の組織発現を観察したところ、2型コラーゲンやその転写 調節因子であるSox9が脊椎骨で発現していることが明らかになった。これらの結果について、軟骨型 プロテオグリカンは合成されないものの、2型コラーゲンは脊椎骨のマトリックス成分として合成されている可 能性を推定している。トラフグの脊椎骨の中軸は、椎体と椎間板様組織で構成されている。現在、2型コラーゲ ンが脊椎骨のどの部分に分布しているのか検討中である。


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