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「 体節の分節境界の成立」に果たす転写制御因子SIP1の役割


丸橋 光次1  Tom Van de Putte2  Danny Huylebroeck2  近藤 寿人1  東 雄二郎1

阪大院・生命機能1,Flanders Interuniv. Inst. Biotech., Belgium2


SIP1遺伝子の前体節中胚葉での発現は、1つ目の体節が形成される時から始まり、その発 現領域は、分節境界(新たに分節化が生じる境界)の後側において、体節1つ分の範囲で発現される。SIP1 の発現は、時間周期的に生じる体節の分節化とともに同領域で繰り返され、分節化後の体節では発現が なくなる。SIP1ノックアウトマウスでは、頭側から7番目までは小さな体節ができるが、それ以降は体節が全くで きない。また7番目までの小さな体節も、融合していることがあり、体節の分節境界の成立に欠陥がある。
私たちは,「体節の分節化境界の成立」に果たす転写制御因子SIP1の役割を明らかにするために、SIP1ノック アウトマウスにおいて、体節形成に関わる遺伝子の発現を調べた。
適当な体節の分節化には、Notch- Deltaシグナル因子が必要であることが示されている。SIP1ノックアウトマウスでは、分節境界の後側で発現す るDll1(Dlelta like-1)の発現が、野生型胚と比べ、後方に発現領域が広がっていた。L-Fringe(Notch- Deltaシグナルの調節因子)の発現領域は、前体節中胚葉の後方から前方へダイナミックに変化し、分節境界 で発現がなくなる。SIP1ノックアウトマウスにおいて、野生型胚では消失する分節境界でのL- Fringeの発現が持続していた。これらの結果から、SIP1が、分節境界でNotch- Deltaシグナルを制御していることが示された。
SIP1は、前体節中胚葉の後方から前方へと伝わるL- Fringeの発現を分節境界で抑制しており、この抑制機構が、マウス胚の「体節の分節境界の成立」に必要 と考えられる。


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