菊地 奈都子1 大塚 正人1 谷河 麻耶1 木村 穣1 ○佐藤 正宏2
東海大・医・分生21,東海大・総医研2
マウス妊娠中期胚(day 14- 15)皮膚は、子宮を体外に露出させた場合、子宮壁を通じて見え、micropipetteによるDNA等の物質注入がし 易い点、皮膚への遺伝子導入による皮膚細胞の細胞系譜解析、目的遺伝子の皮膚発生過程での機能解析が し易い等の観点からも発生学的に興味深い組織と言える。また、皮膚の幹細胞が胎仔のどこに存 在するかも不明な現段階で、それへの有効な遺伝子導入系の確立は、皮膚発生学への貢献、皮膚遺伝子治療 の観点からも重要と思われる。従来の方法では、アデノウイルス等のウイルスベクターを導入する方法が主流 であったが、その方法では胎仔皮膚の最表層しか入らず、皮膚の奥深い場所にあるとされる皮膚幹細胞への 導入は難しいと思われた。我々はmicropipetteによる胚体表面への直接lacZ発現plasmid DNAの注入、続くDNA注入部位へのin vivo electroporation(EP)により(これをintraamniotic gene transfer and subsequent in vivo EP, IAGTEと以下称する)、皮膚深層部への遺伝子導入を試みた。その結果、数10%の割合で、皮膚深層部への遺 伝子導入が確認された。一方、殆どは、皮膚表層かその直下への遺伝子導入であった。次いで、Cre plasmid DNAをIAGTEによりloxP/stopper/loxP-lacZ配列を有するtransgenicマウスCETZ-17(Sato et al., Mol Reprod Dev 56, 34-44, 2000)の胎仔皮膚へ導入したところ、Creを介した組換えがそのtransgene内で生じ、lacZ活性が検出された。こ れは、この系が皮膚の細胞系譜解析に使用出来ることを示唆し、目下、その遺伝子導入後の皮膚細胞のlacZ 発現を経時的に解析している。その結果を公表したい。
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