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膵臓発生におけるmNumbの発現パターンの解析


吉田 哲1  徳永 暁憲1  中尾 啓子1  岡野 栄之1,2

慶応大・医・生理1,科技団・CREST2


膵臓は膵管細胞、外分泌細胞、内分泌細胞からなる。膵臓発生は、十二指腸の一部が膨張し膵 前駆細胞を形成されることから始まり、まず膵管細胞が分化する。その後Ngn3やNeuroDが発現した細胞は内 分泌細胞に、発現しなかった細胞が外分泌細胞に分化するが、それらの発現はNotchシグナルによって調節さ れている。
哺乳類Notch1はNotch受容体ファミリーに属し、近隣の細胞に発現した膜結合型リガンドであるDeltaやJagged が結合すると発現抑制性bHLH型転写因子であるHes-1の発現を誘導する。Hes- 1は、同じく神経分化誘導性bHLH型転写因子であるNgnやNeuroDの発現を抑制することにより、2つの近隣の 細胞を異なる細胞運命に分岐させたり、分化を抑制することによって未分化状態を維持させたりする。しかしな がら、Notch1によるHes-1の発現は、さらにmNumbなどの因子によって調節されることが知られている。
mNumbにはプロリンに富んだ領域(PRR)にスプライシングアイソフォーム(PRRSおよびPRRL)が存在し、PR RSはNotchシグナルを抑制し分化を誘導するのに対し、PRRLは細胞分裂を亢進するという逆の機能を持つこ とが示唆されている。膵臓発生におけるmNumbの機能を解析するために、抗mNumb抗体およびmNumb PRRLを特異的に認識する抗体を作製し、発現パターンの解析を行った。膵臓発生初期の膵前駆細胞には、m Numb PRRSとPRRLが両方とも発現していたが徐々に局在化し、内分泌細胞にはPRRSが発現し、外分泌細胞には PRRLが発現するようになった。また、生後においては膵管細胞から内分泌細胞が分化することが知られてい るが、成体マウスの膵管細胞にはmNumb PRRLを発現する細胞集団が存在した。その細胞集団から内分泌細胞が分化することを示唆するデータも得ら れているので、併せて報告したい。


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