○角花 美和 滝本 晶 三浦 重徳 開 祐司 宿南 知佐
京大・再生研・生体分子設計学
線維性結合組織は、コラーゲンが不規則に走行する疎性結合組織と緻密に走行する強靱結合組 織に分類される。強靱結合組織は、柱状、ひも状、膜状の構造で、腱、靭帯、筋膜、強膜、角膜などに存在する 。強靱結合組織では、線維の走行に平行して栄養血管が認めるもののその数は極めて少なく、独自の強靱さを 保持している。この点で、血管網に富み、皮下、粘膜下、小葉間結合組織として全身に広く分布する疎性結合 組織とは明確に区別される。強靱結合組織の中でも、腱・靭帯は個別に発生してくる骨、軟骨、筋肉などの運 動器を連結し、外力に対する力学的伝達機能を果たすので、運動器の生体機能の発現に不可欠の役割を果た している。しかしながら、この組織を特徴づけるマーカー分子が知られていなかったので、その形成機構はほと んど解明されていない。最近、我々は、軟骨由来血管新生抑制因子であるChondromodulin-I(ChM- I)のC末端領域の機能ドメインに高い相同性を有する新規遺伝子をクローニングした。この関連遺伝子は、典 型的な強靱結合組織を構成する腱細胞(tenocytes)で特異的に高発現しているので、Tenomodulin (TeM)と命名した。本研究では、ニワトリ胚とマウス胚を用いて、結合組織形成過程におけるTeMの 発現をin situ hybridizationにより検討した。その結果、stage 28のニワトリ胚では、TeMは筋節に近接する体節間の間葉組織で発現が検出され、肢芽では、将来、腱 ・靭帯原基を構成する前駆細胞に特異的に発現が検出された。Stage 34では、腱・靭帯を含む全身の強靱結合組織で特異的に発現していた。一方、マウスでは、強靱結合組織の前 駆細胞ではTeMの発現は検出されず、胎生12日以降に強靱結合組織の形成に伴って分化細胞で発現 が検出された。
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