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flaky skin (fsn) マウスの血球系異常について


高林 秀次  加藤 秀樹

浜松医大・医・動物実験


我々はクローズドコロニーマウスICRに由来する近交系INT系統において生後14日までに死亡す る異常個体を見いだした。この異常は低体重で貧血症状を呈し、皮膚の角化亢進が認められ、ジャクソン研究 所で発見された17番染色体上の劣性自然突然変異flaky skin (fsnJ) の対立遺伝子であることが判明し、fsnJicと命名した。fsn遺伝子の機能はまだ十 分に解明されておらず、遺伝子も同定されていない。 今回、我々はINT系統とは異なった遺伝的背景を持つ近交系マウスとの交配からfsnJicの コンジェニック系統を作製し、この系統を用いてfsnJic遺伝子の詳細なマッピングを行った 。その結果、fsnJic遺伝子はD17Ham14とD17Ham7の間、約1.5Mb内に存在する可能性が 示唆された。また、NCBIのデータベースより、その間には既知の8種の遺伝子を含む19の遺伝子が存在するこ とが明らかとなった。次に、SSLPにより遺伝子型を判定したfsnJicコンジェニックマウスの 発生段階を追って表現型を観察した結果、胎齢14.5日までは野生型個体もfsnJicホモ型個 体も胎仔型の有核赤血球が多数存在するが、野生型個体では胎齢15.5日以降、有核赤血球が減少し、成体型 の無核の赤血球に置き換わり、 胎齢16.5日には全て無核の赤血球になるのに対して、fsnJicホモ型個体では出生後も有 核赤血球が多数存在することが明らかとなった。また、野生型に比べfsnホモ型個体は網状赤血球が多 いことが報告されている。更に、皮膚の異常は出生後1?2日後に初めて観察され、胎仔期には明らかな異常 は観察されなかった。これらのことから、fsn遺伝子は血球幹細胞に関わる遺伝子であり、fsnJ icホモ個体は血球幹細胞の分化が正常でないために貧血や自己免疫疾患を呈し、皮膚の角化亢進 が認められる可能性が示唆された。


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