[2P023]

ウシ栄養膜細胞におけるE-cadherinとbeta-catenin発現の二核細胞化に伴う変化


中野 春男1,2  嶋田 新1,3  今井 敬1  高橋 透1  橋爪 一善1

生物研 発生分化G 生殖再生T1,学振 科技特2,科技団 重点支援3


胚盤胞期に派生する栄養膜細胞は、胚着床後の胎盤形成に寄与する。ウシ栄養膜細胞において 、一部の細胞は核分裂後に細胞質分裂を伴わない“二核細胞(binucleate cell)”に分化する。二核細胞は、多倍体のDNAを持ち、placental lactogen等のホルモンを分泌する内分泌細胞である。我々は、ウシ胚盤胞より樹立した栄養膜細胞株(BT- 1)を用いて二核細胞への分化のメカニズムについて解析している。これまでにBT- 1細胞をコラーゲンゲル上に培養すると、多倍体のDNAを持ち、placental lactogenを合成する二核細胞に分化誘導することに成功している。BT- 1細胞は単層立方上皮細胞であるが、二核細胞に分化誘導すると重層化して細胞形態が球形になることから 、分化に伴って細胞骨格、細胞?細胞間結合や細胞?基質間結合が変化していることが考えられた。今回、接 着帯(adherens junctions)の構成蛋白質であるE-cadherinとbeta- cateninの発現を免疫組織化学染色により調べた。E-cadherinとbeta-cateninは、通常のBT- 1細胞において細胞?細胞間に局在していたが、二核細胞への分化に伴って細胞質全体に分布するようにな った。一部の二核細胞においてbeta-cateninは細胞核にも局在していた。二核細胞におけるE- cadherinとbeta- cateninの特徴的な発現は、胎盤組織における二核細胞においても認められた。これらの結果からE- cadherinとbeta-catenin発現の変化が二核細胞への分化と関わっていることが示唆された。


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