[2P022]

ウシ栄養膜細胞の分化に関与する因子の解析


嶋田 新1,2  中野 春男1,3  今井 敬1  高橋 透1  橋爪 一善1

農業生物資源研究所 発生分化G 生殖再生T1,科技団 重点研究支援2,学振 科学技術特別研究員3


ほ乳動物では栄養膜細胞は、胚盤胞期に内細胞塊と別れ胎盤の形成の主役となる。しかし、その 分化の過程については不明の点が多い。我々は、ウシ胚盤胞より栄養膜細胞株(BT-1)を樹立した。BT- 1細胞を、コラーゲンゲル上で培養すると、反芻動物の絨毛叢特異的の内分泌細胞である二核細胞が誘導さ れる。本研究では、BT- 1細胞を用い、胎盤形成における、栄養膜細胞の分化に関わる因子の解析を試みた。ウシ絨毛叢栄養膜に出 現する事が知られている胎盤生ラクトゲン(PL)、インターフェロン?τ(IFN-τ)、Oct-4を指標としてBT- 1細胞の増殖・分化過程をRT-PCRにより解析した。BT-1細胞は、通常の培養ではPL、IFN-τ、Oct- 4遺伝子を発現していた。しかし、コラーゲンゲル上でBT- 1細胞を培養すると、PL遺伝子の発現は維持していたが、Oct- 4遺伝子の発現が減少した。胎盤組織ではPLは妊娠期を通して絨毛叢部(cotyledon)で発現し、無毛部(intercot yledon)では妊娠中期まで発現が確認された。一方、Oct- 4遺伝子は、妊娠中期から後期にかけて、cotyledonでは発現が認められたが、intercotyledonではcotyledonと 比べて減少していた。以上の結果より、Oct- 4遺伝子発現の減少が栄養膜細胞の機能及び分化に関与する可能性が示唆された。


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