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ウニ胚のPMC除去が中内胚葉分化に与える影響について


中益 朗子  清本 正人

お茶大・臨海


発生の各段階で観察されるウニの胚の調節能力については、古くから多くが知られている。その 中でも、比較的発生の後期に見られるものとして、一次間充織細胞(PMC)の除去に伴う調節がある。これは、 骨形成細胞への発生運命を持つPMCを除去した際に、それを補う骨形成細胞が生じる現象である。Lytechi nus variegausのPMC除去胚では、分化転換により生じた骨形成細胞に相当する数の色素細胞が減少するの で、もともと色素細胞へと分化する運命を持つ細胞が、骨形成細胞へと運命を転換していると考えられている 。従って、このPMC除去に伴う分化転換は、他の領域には影響を与えずSMCサブポピュレーション中で起きる ものと捉えられてきた。 今回、バフンウニHemicentrotus pulcherrimus胚で単離原腸を用い、この二つの表現型の現われ方を比較した。すると、PMCも含めた周り の組織がとり除かれている単離原腸では、胚でのPMC除去実験を再現する形で分化転換によって生じてきた 。ところが、色素細胞についても、PMC除去胚・単離原腸の両者でそれほど数の減少を見せず、自律的に分化 した。また、色素細胞が原腸先端から割腔内へ全て抜けてしまう中期嚢胚期以降の単離原腸でも、分化転換 による骨形成細胞は生じてきた。従って、分化転換を起こしている細胞は、この時期すでに運命を決定してい る色素細胞ではなく、むしろそれ以外に存在しているものと思われる。さらに、PMC除去胚では、標識した割球 (veg2)に由来する細胞の分布が、正常胚と比較して消化管内でより先端方向へ移動していることが標識実験 によって示された。これは、PMC除去によって生じる骨形成細胞への分化転換が、SMCだけでなく内胚葉予定 領域の分化にまで広範囲に影響することを意味している。


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