[2P016]

改良遺伝子トラップ法による新規発生制御遺伝子の単離


成瀬 智恵  福住 好恭  杉原 一司  浅野 雅秀

金沢大・院医・遺伝子改変動物


遺伝子トラップ法は一度のスクリーニングで多くの未知及び既知遺伝子の単離、発現解析、個体 での機能解析ができる優れた方法であるが、トラップされる遺伝子の種類に焦点を絞るのが困難という欠点が ある。そこで、我々は、原腸陥入・中胚葉形成に働く転写因子によって制御される遺伝子を単離し解析するた めに、アデノウイルスベクターにより転写因子をES細胞に導入し、その前後で発現量の変化する遺伝子をトラ ップしたクローンを単離した。アデノウイルスベクターを用いてPax1、Brachyury、HNF- 3βをES細胞内で発現させる系を構築し、これらを用いて366個のトラップクローンのスクリーニングを行った。X -gal染色を用いた1次スクリーニングの結果、43個のトラップクローンにおいて、いずれかの転写因子の発現に 応じてトラップされた遺伝子の発現量が増減していた。CPRG定量的アッセイを用いた2次スクリーニングでも発 現量に変化の見られた11クローンについて、5’ RACEによりトラップされた遺伝子の一部の塩基配列を決定した。NCBIマウスゲノムデータベースを用いて遺 伝子を同定したところ、10クローンについて、データベースに登録されている遺伝子がトラップされていた。こ のうち、3クローンで同じ遺伝子Bat2- likeをトラップしていたことがわかった。また、6クローンでCNBP、Lrp1、HMG1など、発生と関連があると考えら れる遺伝子がトラップされていることがわかった。これらの遺伝子のmRNAの発現変化をNorthern hybridizationで調べた結果、Bat2- like、CNBPなどの4クローンが転写因子に反応していることがわかった。そこで、これら4クローンより、キメラ マウスを作成した。現在、生殖系列への伝達を確認しているところである。


Page Copyright (C) 日本発生生物学会 All Rights Reserved.