○栗山 正1,2 Giuseppe Lupo3 大沼 信一4 太田 訓正1,5 田中 英明1
熊本大・院医・神経分化学1,熊本大・COEリサーチアソシエイト2,Dept. Anatomy Univ. Cambridge3,Dept. Oncology Univ. Cambridge4,科技団・PRESTO5
Tsukushi(TSK)はニワトリレンズ由来のcDNAライブラリのシグナルシーケンストラップ法によるス クリーニングにより得られた新規分子である。TSKはN末端にシグナルシーケンスと予想される疎水性ドメイン を持ち、膜貫通ドメインを持たない分泌型因子である。その構造はロイシンリッチリピートとN末端とC末端にシ ステインのループで構成されるSLRP (small leucine-rich proteoglycan) familyに属する。(2001, 2002年本大会)我々はTSKの機能を解析するためXenopusホモログを単離した。その発現をwhole mount in situ hybridizationによって調べたところ、マターナルから発現が見られ、胞胚、原腸胚においては動物局側に 局在していた。神経胚においては頭部中内胚葉における発現が顕著に見られた。また、発生の早い段階から 神経堤細胞にその発現が見られた。尾芽胚においては、眼胞の背側部分・神経堤・体節の一部と未分化な体 節中胚葉に発現していた。X- TSKの胚の頭部発生における役割を過剰発現で検討したところ、頭部神経マーカーの異所的な発現が観察さ れた。また、アニマルキャップアッセイにより、X- TSKによって頭部マーカーが誘導されることが明らかになり、X- TSKが頭部の発生に重要な遺伝子であることが示唆された。X- TSKの発現制御と生化学的解析によりBMPカスケードにおいて機能することが予想されており、その詳細につ いては詳しく検討中である。さらに、頭部マーカーを誘導する条件において神経堤マーカーを抑制することも 明らかになった。本大会ではX- TSKの頭部形成における機能解析と後方化因子との分子的な相互作用、神経・非神経の境界形成に関与する ことについて報告する。
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