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ツメガエルの原腸は陥入する?


小出 哲也1  橋本 主税2

カリフォルニア大・アーバイン校1,JT生命誌研究館2


脊椎動物の頭部領域は原腸形成期に決定されます。この頭部領域の決定には、頭部オーガナイ ザーと予定頭部神経外胚葉が物理的に相互作用することが重要な役割を担っています。両生類以外の脊椎 動物種においては、頭部オーガナイザーは初期原腸胚で予定頭部神経外胚葉と物理的に接して存在すること が知られています。しかし、両生類の頭部オーガナイザーは初期原腸胚においては予定頭部神経外胚葉から 離れて存在し、原腸胚の胞胚腔の屋根の部分を裏打ちしながら前方部(将来頭部となる方向)へとさかのぼっ て、最終的に予定頭部神経外胚葉が頭部オーガナイザーと物理的に接触するのは原腸形成の中期から後期 にかけてであると言われています。しかし、その正確な時期は全く理解されていません。 今回私たちは、ツメガエル胚において予定頭部神経外胚葉と頭部オーガナイザーの物理的な相互作用が起こ る正確な時期を明らかにしました。未分化外胚葉組織と頭部オーガナイザー組織が接する領域を生体染色す ることにより詳細に解析したところ、他の脊椎動物と同様にツメガエルでも物理的相互作用は原腸形成期の非 常に初期(ステージ10.25)にはすでに確立していることが示されました。この結果はケラーサンドイッチと呼ば れる外植体を用いた詳細な解析や移植実験による組織標識からも支持され、これまで予定神経外胚葉組織で あると信じられてきた組織は将来の表皮であるということが明確に示されました。これらの結果から、オーガナ イザー組織はこれまで言われているように尾部から頭部へと胚内部をさかのぼりながら体軸を形作るのではな く、まず頭部が決まった後に尾部方向へと体軸を形成させるモデルが提示できます。この視点に立つと、脊椎 動物種間での頭部体軸形成過程に組織運動のレベルで共通点が見いだされます。


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