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アフリカツメガエルの受精におけるマトリクスメタロプロテアーゼの役割


岩尾 康宏1  南口 恵理1  黒岩 有一1  久保 英夫2

山口大学理学部自然情報科学科1,都臨床研・総合2


アフリカツメガエル(Xenopus laevis)の受精過程において、精子は3層のゼリー層と卵膜からなる卵外被に接着し、先体反応を起こして 卵膜を通過する必要がある。さらに、卵外被を通過した精子は、先体内膜部分で卵細胞膜と接着し、両者の膜 融合により受精は完了する。これまでに、ウニやホ乳類において、これらの過程にはマトリクスメタロプロテア ーゼ(Matrix Metalloprotease, MMP)が関与していることが示唆されている。今回、アフリカツメガエルの受精にZn2+を配位した マトリクスメタロプロテアーゼが関与していることを明らかにした。 ツメガエルのゼリー層と卵膜に包まれた卵の受精はZn2+のキレート剤であるO- phenanthrolinでほぼ完全に阻止された。また、MMPの特異的阻害剤であるTAPI- 1でもほぼ完全に受精が阻害されたが、TAPI- 1存在下で媒精した卵を洗浄すると受精を再開したことから、TAPI- 1の影響は可逆的と考えられる。一方、ゼリー層と卵膜を除去し、卵細胞膜のみ囲まれた卵の受精はO- phenanthrolin で阻害されたので、卵細胞膜との接着・融合にもZn2+を必要とする分子が関与している可能性が ある。 受精に関与するMMP活性が精子にあるかどうかを明らかにするため、精子抽出物中のMMP活性を各種の 消光蛍光型MMP人工基質を用いて検索した。精子抽出液中にはNFF-2やNFF- 3を分解する活性があり、とくにMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg- NH2を分解する活性が高かった。このMMP活性は受精阻害がおきるMMP阻害剤で阻害され、 よく相関していた。 さらに、ツメガエル精子細胞膜を抗原として単クローン抗体を作成し、精子抽出物中のMMP活性の除去をも とにスクリーニングをおこなった結果についても報告したい。


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